『ペンタとうみ』(鎌田暢子作、「こどものとも年少版」、福音館書店発行、2012年9月1日)は『こおりのしまのペンタ』の続編(姉妹編)です(^○^)!!

2012 年 8 月 22 日 水曜日

鎌田暢子さんの「ペンギン作品」につきましては、2011年2月9日のブログでも『ペンギンのあかちゃん』(『こどものとも〇.1.2.』、福音館書店発行、2009年8月号)を取りあげてご紹介したことがあります(^○^)!!したがって、これも加えると鎌田さんの「ペンギン作品」は3作目ということになります(^○^)!!

原本に挿入されている「折り込み付録」=『絵本のたのしみ』(2012年9月号、通巻426号)の「作者のことば」を見ても、巻末の「編集部だより」を見ても、異口同音に…「ペンギンの姿は『人間の子どもと同じ』」という表現に出会います。特に「編集部だより」の最後は、こんなふうに結ばれています。

読者の子どもたちは、ペンタが『ドッポン!』と水に落ちる姿に我が身を重ねてドキドキし、自然に泳げるようになったペンタに心からの拍手を送って喜ぶことでしょう。

また、作者の鎌田さんご自身も、『作者のことば』の中で、次のように書いていらっしゃいます。

私は実際に南極に行ったことはありませんが、ビデオなどでヒナたちが初めて海に入る場面を見ると、いつも『ああ、人間の子どもと同じ』と思い、クスクス笑ってしまいます。…(中略)…その場面からヒントを得て、この『ペンタとうみ』ができ上がりました。

ペンギンの外観に対する第一印象、直感的な擬人化というものの力が如何に大きいか、この点に「描かれたペンギン」を分析する際の極めて重要な留意点があるな!この絵本は、私にそういう思いを再確認させてくれました。

どうぞ、皆さんもそういう着想から生み出された作品が、どのような読後感を残すのか?ご自身で体験してみてはいかがでしょうか?

最後に、簡単に指摘しておきたい点が1つ。作品の18ページに「むちゅうで はねを うごかすと、」という表現があります。この「はね」は、たぶん「つばさ(翼)」のことだと思います。トリの体の名称では、よく誤解されることですが、「はね」とは「羽」または「羽根」のことで「羽毛(フェザーやダウン)の総称」です。「翼」とは「鳥類の前肢」のことで「ウイング」です。「羽ばたく」という動詞があるため混同されがちですが、空を飛ぶ鳥もペンギンも「翼を動かして動力を得る」のであって「羽を動かして動力を得る」のではありません。

この問題につきましては、私自身も、ペンギン学の師匠=青柳昌宏先生から直接厳重なご注意を何回も受けたことがあります。

何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m!!

ペンタとうみ ペンタとうみ ペンタとうみ ペンタとうみ ペンタとうみ

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