近藤鉄也さんのチリ便り〜第43回〜最新のアルガロボ情報とアリカ情報をいただきました(^○^)!!

2012 年 10 月 12 日 金曜日

まずは、近藤様からいただいたメールをご覧下さいませ_(._.)_!!

上田様

お世話になります。

昨日定例のアルガロボ調査に行ってきました。
2週間前の調査より個体数が増えており、抱卵が確認できた一方で、先週末の降雨によるものでしょうかすでに抱卵放棄された卵もありました。エルニーニョの影響かもしれませんね。この時期は本来あまり雨が降らないそうですから。

先週休暇をもらってチリ北部を旅してきました。ペルー国境の町であるアリカにはボートでしか行けないフンボルトのコロニーがあってクルーズを申し込んだのですが、残念ながら高波のため出航することはできませんでした。サーフィンのメッカでもありますので、出航できる日は少ないとのことでした。

アリカには南米太平洋戦争の要所であるアリカ要塞(今は観光名所)があり、その向かいに小さなAlacran島があります。博物館の職員によるとこの島はかつては海鳥の宝庫でフンボルトも繁殖していたそうですが、1962年にグアノを採集するために堤防でつながれ、その後海鳥の繁殖はなくなってしまったそうです。今は誰でも簡単に入ることができ、かつてフンボルトが営巣していたであろう岩場にはトイレットペーパーがあふれていました。釣り人のトイレになってしまっているようです。アルガロボがこんな状況にならないようにしたいですね。

では、また連絡いたします。

近藤

近藤様、いつもお忙しいところを貴重な情報をいただき、本当にありがとうございます_(._.)_!!

やはり、エルニーニョの影響が出始めたんでしょうか?この雨が、フンボルトたちの繁殖にとって災いとならないようお祈りしております_(._.)_!!

また、アリカ情報をありがとうございます_(._.)_!!ボリビア、ペルー、チリとの間で戦われた南米太平洋戦争は、最終的に現在のような国境線が確定する重要な紛争でした。この結果、ボリビアは完全に内陸国になりました。また、太平洋岸のグアノ採掘に一層拍車がかかったのも、この戦争後のことです。

そういう意味では、この戦争、そしてアリカ要塞と海鳥が築いた営巣地跡は、南米太平洋岸諸国と世界史とフンボルトペンギンの悲劇とを語る、重要な「歴史遺産」だと言えるでしょう。

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