2010年8月初旬から中旬にかけて、アルゼンチンとウルグアイを訪れ、最近「大量漂着」が伝えられるマゼランペンギン救護活動の現状を視察して来ました。残念ながら、現地での活動は非常に短期間でしたから、訪問できた施設数や「漂着現場」の数は、とても少ないものでした。しかし、様々な関係者から得られた貴重な情報は、極めて密度が濃く、また、各々の国情によって、救護活動や救護結果には、かなり大きな相違があることが判ってきました。
今回は、まず、アルゼンチン最大の「水族館」=ムンド・マリーノの救護施設とその活動の概略をご紹介しながら、南米全体でマゼランペンギンの為にどのような活動が実施されてきたか、簡単にご紹介することにしましょう。
ムンド・マリーノは、ブエノスアイレスから車で片道約8時間(もちろん高速道路経由)、広大なラプラータ河口に面した「水族館」です。いや、「水族館」というよりは、巨大な「動物レジャーランド」といった方がよい素晴らしい施設です。この施設を運営する財団は、すぐ近くの「スパランド」も経営しており、総合型レクリエーション施設を目指しています。ムンド・マリーノそのものについては、また、「園館見てあるき」等でご紹介しましょう。
その広大な施設内に「ペンギン館」と名付けられたエリアがあります。そこには、120羽以上のマゼランペンギンと数羽のイワトビペンギンが飼育・展示されています。
プール水量は約450トン、エリア全体は、救護施設をを含めて1600平方メートル以上あります。プール前面には観客スタンドがあり、夏の観光・レジャーシーズンには、「給餌解説ショート」が行われ、たくさんの観客でにぎわうそうです。
さて、肝心の救護施設のお話をしましょう。この施設を運営するのも「ムンド・マリーノ財団」です。財団は1987年に設立され、約5年かけて、現在の施設を整備しつつ、マゼランペンギンをはじめとする海洋生物=海鳥の救護・保全活動を続けてきました。
施設は、「初期収容施設」、「保養施設」、「隔離施設」、「手術病棟」、「資材置場」等からなっています。特に、「初期収容施設」は、救護されたばかりの個体を落ち着かせ、施設環境に順応させるための「高床式」で、部屋数も多く、様々な工夫が施されていました。
この救護施設の責任者は、獣医師のフリオ・ローレイロさん。がっしりした大柄の頼もしい獣医さんです。彼は、IFAW(国際動物福祉基金)の技術的・資金的支援を受けながら、重油汚染個体、飢餓個体、傷病個体等を多数救護してきました。
ペンギンについて言えば、マゼランペンギンだけでなく、イワトビペンギンやキングペンギン等を助けた経験もあります。実際、私が訪れた時にも、6羽のイワトビペンギンがいました。
しかし、彼の思い入れは、やはりマゼランにあるらしく、彼の手の甲には、マゼランのタトゥーがありました!私にとっても「ペンギンタトゥーをした人」に会ったのは初めての経験でした。
実は、2008年には、このムンド・マリーノ財団が主催する「第1回ラテンアメリカ海洋動物救護会議」が開かれています。その「発表演題概要」を入手し、同時に、その年に刊行された「ムンド・マリーノにおける救護活動」をまとめた報告集も入手しました。
これ等の文献・資料には、ムンド・マリーノだけでなく、南米全体の「海洋動物救護活動」の経緯と成果、課題がまとめられています。今後、それらの情報を分析・検討して、私たちがこれまで知らなかった南米全体での「ペンギン救護活動」の実態をご紹介していきたいと考えています。
また、今後も、ムンド・マリーノやそのスタッフと緊密に連絡・連係をとりながら、マゼランペンギン等の保全に貢献していきたいと思います。
ご苦労様でした。チリのブイン動物園で最初にムンド・マリノのディレクター・ホセさんと知り合った私としても、ご紹介したかいがあって良かったです。私もフンボルトペンギン中心に貢献していきます。
penguinman 様
お久しぶりです(^o^)/penguinman様の情報とご紹介で、マゼランペンギンの救護活動の「要」となる方々と出会うことができました。
本当にありがとうございましたm(__)m!!今後とも、南米のペンギン情報を、よろしくお願い申し上げます_(._.)_!!
恐縮です。これからもフンボ中心に頑張ります。よろしくご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。