近藤鉄也さんのチリ便り〜第50回〜アルガロボでペリカンとペンギンを惨殺・虐待する事件が起きたようです!!

2013 年 1 月 11 日 金曜日

まずは近藤さんからいただいた緊急レポートをご覧下さい!!

「上田様

お世話になります。
今回は残念な情報ですが、これがチリの現状であることもお伝えしたいので、あえて報告させていただきます。

昨晩(チリ時間1月9日)、全国放送のニュース番組で写真のような報道がなされました。
見出しは「アルガロボでペンギンの大虐殺」です。
http://www.24horas.cl/nacional/presentan-a-pinguinos-de-humboldt-rescatados-en-algarrobo-465228

近藤鉄也さんからの写真20130111

実際に被害に遭った多くはペリカンの卵ですが、ペンギンの雛も踏みつけたそうで、調査中に見かけた骨折しているようなフンボの雛はその被害者かもしれません。

最大の問題点は特別保護区の鍵の管理をしているヨットクラブが首謀者である可能性が高いことです。
「糞害や騒音を減らすため」にこの暴挙がなされたわけです。

事態を重く見た環境省は本日、環境大臣が直々に保護活動をしているメトロポリタン動物園の視察にみえました。
今後このような犯罪が減り、環境(自然)保護行政が前進することを祈るばかりです。

(この情報は数日前に関係者からいただいていましたが守秘義務があったためお知らせできずにおりました。)
近藤」

近藤鉄也様、お忙しく厳しい暑さの中で、いつも本当にお疲れ様ですm(__)m!!また、今回の大変残念な出来事につき、いち速くお知らせいただき、ありがとうございました!!

私自身も、何回も訪問し調査・観察したアルガロボで、このような事件が起きるとは、全く予想外で驚いております!!
野生動物と人間とがうまく共存していくことの難しさを、改めて考えさせられる出来事ですね!!

しかし、チリ政府(環境大臣)の迅速な対応を拝見して、政府がフンボルトペンギンの保全に具体的かつ重大な関心を示されたことに、心から感謝申し上げたいと思います!!このように、ネガティブな形ではありますが、チリのフンボルトペンギンについては「国際的な保全・研究体勢が存在し活動している」という事実が周知されることによって、今回のような不幸な事件が繰り返される可能性が少しでも減少していけばよいな…と考えております!!

また、今回の「内部告発」も、野生動物や自然環境保全に対するチリの方々のお考えが、より「前向き」だからこそ生まれたとも理解できます。

野生動物の保全活動自体も「一筋縄」ではいきませんが、それに輪をかけて、国際的保全プロジェクトを推進することにも、さらに高くて分厚いハードルがまだまだ待ち構えているはずです!!急がずしかしたゆまず、このプロジェクトを推進していきたいと決意を新たにしております!!

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