訃報=「ペンギン」と名乗ったアルゼンチンの前大統領、ネストル・キルチネルさんが亡くなりました

2010 年 10 月 30 日 土曜日

今年、アルゼンチンを訪ねた時、同行していただいた小澤さんが教えてくれました。
「アルゼンチンの前の大統領って『自分はペンギンだ』って言ってるんですよ!」…初耳でした。ちなみに、この訃報も、小澤さんからの情報です。

そのアルゼンチン前大統領=ネストル・キルチネル氏が、10月27日(水)、生まれ故郷であるサンタクルス州カラファテの病院で亡くなりました。60歳。死因は心臓発作と伝えられています。
同国の現職大統領であり、キルチネル氏の妻でもあるクリスティナさんが、最期まで側に付き添っていたそうです。

キルチネル氏は、ペロン党に属し、いわゆる「中道左派」。1991年〜2003年まで、パタゴニア地方のサンタクルス州知事を務め、2003年5月〜2007年12月まで、第55代のアルゼンチン大統領職にありました。
その後は、夫人のクリスティナさんが第56代大統領となり、現在に至ります。

ではなぜ「ペンギン」なのか?

理由の1つは、「出生地であり、州知事を勤めたサンタクルス州が、ペンギンの生息地であるパタゴニアだったから」。
もう1つは、彼の鼻が「長くて鋭いペンギンのクチバシ」のように見えたから、だと言われています。

でも、きっとそれ以外にも何か「思い入れ」があるはず。だって、自ら「私はペンギンだ!」と名乗って憚らなかったのですから!!
詳しい背景を調べて、いつか「ペンギン史外伝」で取り上げましょう。タイトルは『ペンギン大統領一代記』かな?

「ペンギン大統領」のご冥福を心からお祈り申し上げます。

コメント / トラックバック 3 件

  1. むらペン より:

    私ものご冥福を心からお祈り申し上げます。

  2. とり より:

    ペンギン大統領ですか・・・パタゴニア出身で、自らそう名乗られていたら、親近感がわきますね。

    ご冥福をお祈りいたします。

  3. 上田一生 より:

    むらペン 様、とり 様

    実は、南米で「政治絡みのペンギン」に出くわしたのは、これが初めてではありません。
    以前、チリで学生の反政府運動が激しかったころ、学生のデモを鎮圧する警察あるいは軍の「放水・催涙ガス攻撃」に素手で必死に耐える姿をペンギンになぞらえることがありました。
    冷たいブリザードに身を寄せあって耐えるエンペラーペンギンが、弱者である学生の象徴になっていたのです。
    たしか、この時の学生たちの主張は、「大学入試費用と学費の大幅値上げ」を強行しようとする政府に対して、それが「高等教育の機会均等を阻害し、貧富の差による就学機会の較差を拡大させる」という、至極もっともなものでした。

    私が泊まっていたサンチアゴ市内のホテルのすぐ横の壁にも、白いペンキで「ペンギンたちは弾圧に負けないぞ!!」と大書してあったのを、よく憶えています。たしか写真も撮りました。
    南米の「ペンギン」という言葉には、「何かに耐え抜き諦めない強靭な身心」という意味が含まれている。なんだか最近、そういう気がしています。

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