最新号のデジタル版『Forbes』(2020年11月12日付)に、David Bressan 氏による「A68a」の最新情報が掲載されています。
彼の記事の中には、「A68a」の2017年以降の動きを地図上にトラックした付図が掲載されていて、この巨大氷山のダイナミックな動きや、「周極流」との関連、南極半島(特にラーセン棚氷)との関係がわかり易く解説されています。
また、過去の巨大氷山「B15」(2000~2001年にかけて流出)の場合、その影響力が完全に終息するのに約20年間を要した・・という筆者の指摘は、極めて重要です。というのも、「B15」はロス棚氷の一部が分離したもので、一時、棚氷に舞い戻ってきた時には、いくつかのエンペラーペンギンとアデリーペンギンの繁殖地が消滅し多くのペンギンが犠牲になったからです。
巨大氷山の影響力は、その巨大さだけでなく、消滅するまでにかなり長期間、周辺海域の基本的環境を改変してしまうことです。今度の「A68a」の場合、少なくとも数年~10数年間、その動向を注視する必要があるでしょう。