梅覗軒様、先日のブログへのコメントを、ありがとうございましたm(__)m!!
ところで、この写真をご覧下さい(^o^)/いかがですか?何かにそっくりだと思われませんか?
この貴重な写真は、根本美穂さんからいただいた「自作アルバム」に納められたものです。2月5日の「超水族館ナイト」の折りにいただきました!本当にありがとうございます_(._.)_!!
この写真は、2つの意味でとても貴重です。
1つは、もちろん、あの「宮様のロイヤルコペンハーゲン・ペンギン」とそっくりのポーズだということ。
これは、キングペンギンお得意のポーズです。みんなが伸び上がって、体の大きさや黄色いパッチ=斑紋の美しさを競いあっています。いわゆる「広告歩き」の一シーンです(^o^)/
もちろん、野生のキングペンギンたちもしょっちゅう見せてくれますが、動物園や水族館でも、ごく普通に観察することができます。
ところで、キングペンギンは、1865年3月、世界で初めて動物園(ロンドン動物園)で飼育されたペンギンです。
欧米では、19世紀の早い段階から、野生のキングペンギンの形態や生態が、銅版画や彩色細密博物画で流布していました。ですから、19世紀末には、その姿形は「珍しい南極(キングペンギンは実際には南極にはいませんが…)の生きもの」の典型的な例として、様々な芸術家の関心を集めていました。(詳しい事情や歴史的経緯については拙著『ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ』岩波書店、をご覧下さい。)
ですから、ロイヤルコペンハーゲン工房の職人達が、ホッキョクグマとこのペンギンに関心を持ったのは、ことさらに珍しいことではなかったと思います。
でも、この動き=ディスプレイの一瞬を捉えたのは、さすが!と言わざるを得ません。おそらく、キングペンギンの最も美しいフォルムの1つだと思います。
しかし…、職人は、いったいどんな資料を見たのでしょう?
あるいは、どこかの動物園で「生きている実物のディスプレイ」を観察しスケッチしたのでしょうか?
はたまた、博物館でこのトリの剥製を見て、イマジネーションを膨らませたのでしょうか?
彼らの仕事ぶりの謎が、私の好奇心をくすぐります。
ちなみに、いわゆる「白瀬隊の南極探検」をはじめ、アムンセンやスコットによる「南極探検レース」が国際的注目を集めたのは、20世紀の初め、第一次世界大戦直前のことです。
ちょうど100年前のことですね。この時、世界中に生きた様々なペンギンたちの姿が、写真や動画映像で普及していきます。この状況は、当時「世界の一等国」を目指して、懸命に背伸びしていた日本でも同じです。
ですから、女官が「ペンギンをペリカンと間違えた」のは、確かに「仕方がない」のかも知れませんが、ペンギンのことは「ごく一部の専門家しか知らなかった」とは言いにくい状況でもあったのです。
でも、これは決して女官を責めているのではありません。そもそも、当時の動物に対する知識や情報は、現在とは比較にならないほど「好事家的情報」でしたから、女官が知っていなければならない「常識」ではなかったはずです。
さて、最初に記した「いただいたアルバム」の2つ目の価値とは…、もうこのような写真は、誰にも二度と撮れない、ということです。
それは、これが撮影された上野動物園の「ペンギンプール」は既に壊され、そこにキングペンギン達が戻ってくることはないからです。残念ですが、これは「上野動物園のペンギン展示史」の一史料になってしまったのです。
かつて、上野動物園は「世界一のペンギンコレクション」を誇っていました。
しかし…、時の流れは動物園の基本方針や姿を変えていきます。これは、オールドファンにとっては悲しいことですが、上野が新時代に即応した意義のある社会施設としての地位と価値とを保ち続けていくためには、避けて通れない「痛み」であり「道程」だと思います。
「変わらないでいる」ということは、「流れ去る時」の中に身をおく限り、「常に変わり続けなければならない」ということでもあります。
でも…、私はこのペンギンプールが好きでした。今でも…、瞼を閉じると、隣のアシカプールの水音や、おか場でペンギンたちに餌を与える親しい飼育担当の方々の姿や声が甦ってきます。
暑い夏もありました。傘をさしながら眺めていたことも…(涙)
いやあ〜、いろいろ苦しい時に、あのプールの前で「嫌な気持ち」を洗い流した思い出がよみがえるのです。
上野動物園のキングペンギンたちに、そして、あの古き良きペンギンプールに、もう一度「ありがとう」を捧げます!!
長い間、本当に楽しかったよ(^o^)/
懐かしいですね、上野の東園。
昨年の今頃はまだ見られたこの風景が過去の物になろうとは・・・。
実は昨日、実家の用事で札幌に行っていたので、ついでに一足伸ばして旭山動物園に行ってきました。
そこで飼育員の方とお話をしたのですが、F先生が上野からキングペンギンがいなくなったことをとても寂しそうにおっしゃっていたのが忘れられません、と聞きました。
時代の流れなのはそうかもしれませんが、何かほかの手立てはなかったものかと思ってしまいました。
ちなみに、上野のキングたちは葛西で元気にしています。
たまに、展示していますね(^_^)。
とり 様
コメントをありがとうございましたm(__)m!!
そうですね(~_~;)F先生のお気持ちは、痛いほどよくわかります!
上野動物園の「キングペンギンのお散歩」や「ペンギン解説」は、実に楽しく有意義なパフォーマンスでしたね(^o^)/
これは、別の機会に改めて記しますが、これからの動物園や水族館は、もっと主張と個性とをもたないといけないと考えております。
「伝統の継承」と「園館の社会的役割」というのは、残念ながら必ずしも両立しないこともあるのです。
しかし、同時に、これからの園館は、その「主張や個性」を、社会全体に分かりやすく公表し、丁寧に説明し続けていかなければならないとも思います。
それは単に、「利用者や社会の理解を得る」というだけでなく、「なぜその生き物を飼育・展示するのか?」について、しっかりした科学的・論理的かつ倫理的基盤を確立する、ということでもあります。
とはいえ、キング達の行く末も気になりますね(~_~;)注意して観察していきましょう(^o^)/