チリ共和国の国立動物園、首都サンチアゴにあるメトロポリタン動物園とペンギン会議との交流の歴史は、すでに15年以上になります。
最近は、佐野淳さんを仲介者として、様々な連絡をとり、技術的・資金的援助を続けて参りました。
例えば、幹部のギジェルモ氏を日本にお招きして、各地の動物園・水族館で情報交換し技術研修をしていただいたり、下関市立しものせき水族館(海響館)の新しいペンギン展示施設の建設・運用にあたり、特にフンボルトペンギンの保全・研究に関する「下関市とチリ政府との協力協定」締結のお手伝いをしたり、昨年2月末のチリ大地震の際には、皆様にお願いして「メトロポリタン動物園への義援金」を募集し、寄付金を贈ったりして参りました。
また、一昨年以降、新しいペンギン展示施設の完成に伴い、メトロポリタン動物園では本格的にフンボルトペンギンの保全・研究・教育・普及活動にのりだしました。
このサイトでも一部お知らせ致しましたが、チリ国内の繁殖地の継続的観察を行ったり、ヨーロッパの動物園から飼育下繁殖個体を導入してチリや中南米での飼育下個体を殖やし、教育・普及活動を充実させると共に、将来の万が一(「野生個体群の急激な減少が生じた際の飼育下個体の野生復帰計画発動」等)に備えた事前研究を行う事を目指した「フンボルトペンギン保全・研究プロジェクト」がスタートしたのです。
フンボルトペンギンの生息地の人々が、いよいよ本気になってくれたわけです!!
このサイトでも「中間報告」を致しましたが、昨年中に、皆様からお預りした「チリ大地震に伴う義援金」の内、すでに10万円以上をメトロポリタン動物園に寄贈して参りました。
詳細なご報告は、機会を改めて申し上げますが、今回は、上記の募金でさらにお預りしている分=10万円に、しものせき水族館から「メトロポリタン動物園のフンボルトペンギン保全・研究プロジェクト」推進の支援金としてペンギン会議がお預りした30万円を足した、合計40万円の寄付金をメトロポリタン動物園に寄贈致しました。(2011年4月15日)
皆様、よくご存じの通り、フンボルトペンギンは、いわゆるワシントン条約の附属書Ⅰに記載されている「絶滅の危険が高いペンギン」です。
日本がこのような危機に際していることは、言うまでもなく重々承知しております。
しかし、皆様から「フンボルトペンギンの保全・研究推進のため」にお預りした貴重なご芳志は、その本来の目的のために、予定通り遣わせていただきます。関係の皆様のご理解を心よりお願い申し上げる次第です。
なお、フンボルトペンギンの保全・研究プロジェクトは、今後も長く継続されます。
ペンギン会議も上田個人も、今後とも引き続きチリや南米、あるいはその他このペンギンの保全に関わってこられた全ての皆様と共に、この活動を続けていく決意です。
皆様の、ますますのご理解とご支援を賜りますよう、末永く、よろしくお願い申し上げます!!
ペンギン会議 上田一生