昨日もご紹介・ご報告申し上げました通り、チリや中南米諸国では、メトロポリタン動物園を中心に「フンボルトペンギン保全・研究プロジェクト」が開始されております。
昨年、メトロポリタン動物園から在チリ日本大使館に支援要請があり、それに呼応して日本政府がODAとして「チリにおけるフンボルトペンギン保全・研究支援」を担う人材を日本国内で公募しました。
南知多ビーチランドの近藤鉄也さんは、それに応募し、みごと審査に合格して、7月に研修を受けた後、9月から2年間の任期で、チリのメトロポリタン動物園で活動を始める予定です。
ペンギン会議は、今後、そのような重大な使命を担った近藤さんを、全面的にバックアップしていく考えです!
研修を前にした近藤さんから、昨日いただいたメールを、以下にそのままご紹介致します。
皆様のご理解とご支援を、何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m!!
(以下、近藤さんからいただいたメールの引用です)
「南知多の近藤です。神戸のペンギン会議ではお世話になりました。その後すっかり音沙汰なしで申し訳ございませんでした。
まずは近況報告をいたします。今回、神戸会議へは、節約のために高速バスで往復しました。その夜は三宮に泊まり、翌朝二日酔いでないことを確認後まず400ml献血をし、その後、以前お世話になった方に近況報告をしました。その方は非常にお酒の好きな方で、会うとすぐに「何時に帰る?」と私に尋ね、昼前にもかかわらずオリオンビールを注文し、お店の泡盛がなくなるころにバスが出発する時間になりました。
帰りのバスは渋滞にはまり、乾燥した車内に閉じ込められた結果、献血後の飲酒は控えましょうという警告を守らなかった私は見事に風邪をひいてしまったのです。私のせいで同乗された方が風邪をひいていないと良いのですが…
浮いたお金はすでに募金に回していたので、治療費が余分に出ていくことになりました。トホホ・・
今は風邪も治まり、本日受けた健康診断でもA評価をいただいております。さて、以前お知らせしたように、お蔭様で9月からJicaのシニアボランティアとしてチリでフンボルトペンギンの人工孵化に協力させていただけることになりました。しかも有難いことに会社の理解も得られ、2年3ヶ月という長期休業扱いにしてもらえました。
中には、「そんなにペンギンが好きなの・・?」と思う人もいるようですが、私がペンギンの飼育係として携わった期間は10年に満たず、まだ未解明な部分も多くありますが、獣医や同僚、そして死んでしまったペンギンたちとともに培ってきたものを、本来の生息地であるチリのフンボルトペンギンにフィードバックしたいというのが、正直なところです。もちろん皆さんの力も借りてです。
また、ちょっとエラそうな言い方をさせてもらえば、こんな元気な親父の存在が若い飼育係の刺激にもなればとも思っていますし、日本人がペンギン以外でも野生動物により興味を持つきっかけにしてくれればとも思っています。そしてできれば、私と入れ替わりでチリに行ってくれる飼育係がまた日本から出てくれないかなぁと・・。あくまでも「かなぁ〜。」です。力説はしません。自然発生的にそう思える人が日本にもいっぱいいてほしいと思ってます。
ペンギンが好きであることは否定しませんが、飼育係の場合、多くは担当になってから惚れ込んでいく見合い結婚みたいなものではないかと思います。これまで担当してきた動物や調査対象としてきた動物は今でも好きですし、何か問題があればとても気になります。以前ウミガメにかかわっていたときに、ペンギンと同じように混獲の問題がありました。でも、動物を守るために人間の命を犠牲にするのもまた違うと確信しています。ですからペンギンやウミガメを食べる文化を私は否定するつもりはありません。飼育係として気を付けなければいけないのは、我々が扱っているのはペットでも家畜でもなく野生動物であることを自覚し、一部でペット的扱いをするのはやむを得ないにせよ、冷静に目の前の生き物と野生動物を見て、それをわかりやすくお客様に伝えることだと思っています。そうすればみんなもっとバランスよく地球上の生き物と付き合っていけるんじゃないかなぁと。そして、そのバランスを考えることができる生き物は人間しかいないんですよね。私がチリに行ってもペンギンの混獲は減少しないでしょうが、そこに存在することでチリの人がペンギンやほかの野生生物に今以上に興味を持ってくれるようになれば、飼育技術の向上以上に有意義なものになるだろうと。もちろん、飼育はきっちりやってきますが。
なんだかまとまりがなくなってしまいましたが、会社の理解により戻ってくる場所を用意していただけることになりましたので、この配慮に応えるべく、今は間もなく迎えるGWの準備とHPのリニューアル、広報担当者としての最後の仕事である「夏休みに向けての準備」に注力している次第です。帰国後この職場をどうしていくかという事も一部のスタッフと話しています。
9月からという事でいささかのんびりしていましたが、7月からは研修が始まるので職場を離れることになります。残り2か月半しかないんですね。それまでに引継ぎや予防接種・引越・スペイン語学習と公私入り乱れて多忙な状況が続きます。繁殖検討委員会の翌日も会議が入っているので、朝一で戻らなければなりませんが、若い研究者の話を聞いて、自分の元気の素や知識にしたいと思っています。どうぞお付き合いください。
最後になりますが、このタイミングで募集してくださったチリ、そしてJicaの方々にはまさに運命を感じます。さらに、この募集を教えてくれた河村さんにはこの先、頭が上がらないのでは?と思ってます。
本当に募集が出たことを知らなかったので。」
(近藤さんからのメールは以上です)
近藤さんのご活躍につきましては、このサイトでも、随時ご報告して参ります(^o^)/
では、近藤さん、ご健闘をお祈り申し上げますm(__)m!!