どちらも「新聞ウォッチャー」の妻が見つけて切り抜いてくれた話題です。
1つは4月3日(火)の夕刊。旅行会社「クラブツーリズム」が「昭和基地」近くの海氷上に南アフリカから飛行機で観光客を運び、基地周辺に3時間ほど滞在して「ペンギン観測」等をするツアーの募集をしているという記事。
旅行社側は、「お客様から昭和基地に行ってみたい」という要望があったから…といっているようです。しかし、この記事の中でも国立極地研究所の関係者が指摘されている通り、この旅行計画は無謀で無意味で大変迷惑なものだと言わざるを得ません。
まず、昭和基地周辺の海氷上に着陸するということそのものが非常に危険であること。主催者は「昭和基地には迷惑をかけない」と言っているようですが、この行為そのものが、基地で厳しい研究生活を送っている観測隊員にとっては「妨害行為」になるのです。
しかも、たとえ無事に離発着できたとしても、わずか3時間の滞在を「ペンギン観測」等と称してはいけません。それは、野生動物の研究活動に対する冒涜に近い行為であり表現です。
旅行社は、この企画を直ちに放棄していただきたいと、強く思います。また、「昭和基地に行ってみたい」方には、キチンと観測隊員になって堂々といらっしゃることをお勧め致します!!
しかも、2番目の記事=4月19日(木)夕刊の指摘にあるように、現在、南極では固有の生態系に悪影響を及ぼしかねない事態が進行中です。
南極に持ち込まれる外来種子の大半は、観光客がもたらしたものだと考えられています。特に、年間3万人以上の観光客が訪れる南極半島では、植生の変化が深刻なようです。
エコツアーの発展はよい傾向だと思います。事実、私自身も過去に何回も「ペンギン観察を中心とするエコツアー」を 企画・実施してきました。しかし、その場合には、注意しなければならない重要なポイントがいくつもあります。「生の野生に入り込む」ことは、大きな楽しみであり、参加者に貴重で忘れられない思い出をのこしてくれる稀な体験です。それだけに、現場の生態系やすでにそこで活動している研究者や保全活動団体に協力し、彼等を支援し守れるような配慮が不可欠なのです。
旅行社や企画者には、よりレベルの高いエコツアーの実現を期待してやみません!!
その次の日には
南極・昭和基地への旅(ツアー) |クラブツーリズム
http://www.club-t.com/special/abroad/syowabase/index.htm
がでていました。
>>こばやしゆたか 様
なるほどなるほど…(~_~;)!!続報をありがとうございましたm(__)m!!