脱出したフンボルトペンギンを海上で捕獲する計画は極力さけて下さいm(__)m!!

2012 年 5 月 17 日 木曜日

再発見された脱出ペンギンについて、関係者の皆様、関心をもち心配していらっしゃる皆様に、急ぎ、強くお願い申し上げますm(__)m!!

この個体を、海上(東京湾上)で追跡したり捕獲したりしないで下さい!!ペンギンが、かなり衰弱していたり、怪我をしていたりした場合は別ですが、普通、野生のフンボルトペンギンは数十メートル以上潜水できます。また、緊急の場合には数分間以上潜水を続け、時速30km以上の速度で水中を移動することができます。

従って、船上から簡単にタモアミなどですくいとれるという考え方は捨てて下さい!!漁網も使わないで下さい!!ペンギンは鳥類で肺呼吸しています。先程記したように、数分間ならば呼吸しないで大丈夫ですが…、それ以上漁網にからまった状態で水中に放置されると、間違いなく溺死します。

また、船のスクリュー、ジェット噴流なども、海面近くを潜水しているペンギンにとっては極めて危険な凶器になります。

毎年、たくさんの野生のペンギンたちが漁網にからまったり、小型船のスクリューに巻き込まれたりして死んでいます。その悲劇を、東京湾で見たくはありません。

このままペンギンを海上で追回し続けていると、今の行動範囲を出て、遠くへ逃げてしまう可能性もあります。その場合は、また、一から探し直しです。そして、行方不明期間の延長は、間接的にペンギンの生存可能性を低める結果になります。

現生18種類のペンギンは、9600種類ほどいると考えられている鳥類の中で、最も海上・水中生活に適応した鳥のグループだといわれています。海上・水中では不器用な人間が、ちょっと追いかけたくらいで、簡単に海上で捕まえられるような生き物ではありません。陸上での不器用で緩慢な動きを海上・海中でもしているという思い込みは捨てて下さい。

昔、人間がペンギンを資源として大量に捕獲し利用していた時代でも、ペンギンを海上で捕獲しようとした人はほとんどいません。ペンギン捕獲の鉄則は「陸上での捕獲」です。フンボルトペンギンは、よほどのことがない限り、早朝に海に出て日暮れに上陸し、夜は陸上で眠ります。辛抱強くこの個体の行動を観察し、陸上で確保する方法をご検討下さい!!

関係の皆様のご努力とご協力とに深く感謝しつつ、上記の件を何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m!!

コメント / トラックバック 3 件

  1. SAKAMOTO より:

    一部の報道で、「東京海上保安部が1時間ほど、捕獲を試みたが、取り逃がした」と流れていますが、保安部に確認したところ、捕獲しようとはしておらず、泳ぎまわるペンギンを1時間くらい観察してくださっただけとのことでした。

  2. こばやしゆたか より:

    ああ、よかった。船で追い回されたら怖いよ〜と思っていたのでした。

    でも、1時間観察してたというのもなかなか気合い入ってますね。

  3. 上田一生 より:

    >>SAKAMOTO 様
    >>こばやしゆたか 様
    貴重な情報をありがとうございましたm(__)m!!
    その時の観察情報=写真等が、関係者の皆様の手元に届き、今後の回収計画の重要な参考情報になっていることを期待しております(^○^)!!

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