まずは、近藤さんからいただいたレポートをご覧下さいませ(^○^)!!
「上田様
いつもお世話になります。今年の梅雨はどのような感じでしょうか? さてその後のチリ情報をお伝えいたします。
先週、再度PCJの佐野さんと一緒にアルガロボ調査に出かけました。 降雨直後の調査で、多くの巣が水没したり泥が流入したりで抱卵していたら大部分で放棄されたと思われます。 巣籠りするフンボは1羽も確認できませんでしたが、岩場で3羽の成鳥を見掛けました。痩せている様子はありませんでしたので、今後さらに多くの個体が戻ってくることを期待してます。
先月後半は北部のパン・デ・アスーカルに行ってきました。現地のガイドによるとここでは1年を通してフンボを見ることができるが、この時期は抱卵しているので、海岸で見られる数は減少するとのこと。観光船の料金は10人までで6万ペソ(12,000円)です。初めは我々2名しかおらず「一人3万ペソは痛いけど、ここで乗らないわけにはいかない!」と覚悟を決めた直後、三々五々希望者が集まり、最終的には最低料金の一人6千ペソで乗ることができました。 確かにガイドの言う通り40羽ほどしか見られませんでしたが、今シーズンも繁殖があることがわかってホッとしました。ちなみにこのガイドさんはダーウィンが来たの取材に同行されたそうで、NHKからもらったカレンダーを嬉しそうに見せてくれました。
長くなって恐縮です。 この旅では、パン・デ・アスーカルの南30㎞にあるチャニャラルという町に泊まりました。チャニャラルには幅5km奥行が最大1㎞ほどの砂浜があります。遠目にはきれいですが、観光地ではないので海岸清掃などはされていないようです。実際に砂浜を歩いてみるとあちこちに死骸が転がっていて新鮮なものから皮だけ・骨だけのものと様々です。オタリアやカモメ・カツオドリ・ペリカンなどに混ざって100羽以上のペンギンの死骸を確認しました。 この状況について先日のアルガロボでのワークショップに参加された研究者に問い合わせましたが、把握できていないとのこと。2010年までの漂着状況はシメオネ氏が取りまとめて公表していますから、それ以降の少数の漂着が積もっているのかもしれません。大規模漂着の場合はマスコミに取り上げられますが、日常茶飯的に漂着が起こる砂浜では報道対象にはならないのでしょう。厳しい現実を見せられた感じです。
ではまた連絡いたします。 次回はもう少し明るい話ができればと思います。
近藤」
近藤様、いつも貴重な最新情報をいただき、本当にありがとうございます_(._.)_!!
様々な生息地の現状や、観光地としての整備状況がわかり、今後のことを考える上で大変参考になります。
しかし、私の記憶では、チャニャラルでの死体漂着はそれほどひどくはなかったように思います。
これまでに比べ、近藤さんをはじめ以前よりもたくさんの眼で現状を観察し把握することで、より効果的な保全の具体策を練ることができるようになってきたと思います。
今後も、現地の方々の活動や考え方を伝えていただければ幸いです_(._.)_!!