本書の扉「『動物園学入門』刊行にあたって」の冒頭に記された以下の言葉が、49人の著者達の気持ちを代表している(^○^)!!
「…『消えていいのか、日本の動物園水族館』(日本動物園水族館協会)」と、かまびすしく存在意義が問われている現在の動物園界にとって、この新たな学問領域の必要性を痛感していたから、出版の嬉しさは一入(ひとしお)である。」
これまで、この新刊の著者・編者として名を連ねている方々により、海外の動物園学のテキストが精力的に翻訳され刊行されてきた。それ自体も大変な作業だったと思うが、今回の新刊は、やはり一味違う。
別の言い方をすれば、「入門」と一言添えられたタイトルに、著者・編者の姿勢が凝縮されていると思う。この「入門」には、もちろん、この世界を目指しあるいは考える人々にとっての「テキスト=教科書」という意味があろう。また、この世界が一筋縄ではいかない極めて難解な課題・宿題を持ち、多様性に富んでいるということも示唆している。
しかし、ポイントはここにあるに違いない。
「将来的に、この布石としての教科書が幾度も改訂され、もしくは次世代の動物園人による新たな教科書が出版され続け、動物園学が動物園にとって当たり前の存在になるような文化が日本に根付くことを願っている。」
これは、日本の動物園学の誕生宣言と言える。関係者の方々の勇気と熱意とに、心からの敬意を表します!!
この新たな「日本動物園学」を巡って、誠実で情熱溢れる議論が展開されることを期待している!!