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生物地理学の新しい文献にシロクマとペンギンが登場する(^○^)!!

2011 年 9 月 3 日 土曜日

コカ・コーラの有名なコマーシャルがある。10年くらい前から、いわゆる「温暖化による北極圏内の急激な氷の融解」について訴えるコマーシャルが目立ち始めた。コカ・コーラも、この頃から、ホッキョクグマとペンギンをキャラクターにして、様々なグッズを作ったり、販促キャンペーンを展開したりし始めた。

この本=『なぜシロクマは南極にいないのか』(デニス・マッカーシー著、仁木めぐみ訳、化学同人、2011年8月)の第1章には、このコカ・コーラのコマーシャルが紹介されている。
『なぜシロクマは南極にいないのか』(デニス・マッカーシー著、仁木めぐみ訳、化学同人、2011年8月)

「アメリカでクリスマスになると毎年放映される有名なCMでは、赤ちゃんコウテイペンギンがホッキョクグマの子どもに飲み物を勧めているが、これはコンピュータアニメーションという魔法を駆使して描いたフィクションだ。」という具合。

この文章に続いて、以下のような記述が見える。

「ホッキョクグマとコウテイペンギンが同じ場所に居合わせるというのは、アメリカのメディアではとてもよく使われる設定で、漫画やクリスマスの特別番組、屋外広告や雑誌の広告にもよく使われている。」

ホッキョクグマとペンギンの例は、生物地理学と、生き物の進化・拡散との関係を象徴する誤解の典型的な事例なのだ。欧米では、このテの誤解というか思い込みが数々あるが、ペンギンは最もよく引っ張り出される動物の1つで、しかも、その紹介のされかたは「好意的」なことが多い。コカ・コーラのCMに描かれるペンギンも、日本的な「かわいさ」を示している。

「生命進化と大陸移動説をつなぐ」という副題をもつこの本。今まで、細かく説明されてこなかった生物の地理的分布に関する新しい発想法や考え方を、解りやすく示してくれていると思う。

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