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「鳥の骨」の話はこの本から入ると楽しい(^○^)!!

2011 年 10 月 4 日 火曜日

「骨好き」の方によく出会います。「ペンギンの骨ってどうなってるんですか?」という質問も多く受けます。

そんなわけで…、長崎ペンギン水族館下関海響館には、「必須資料」として、複数のペンギンの全身骨格標本や、部分標本、あるいは「カット標本」を展示してあるんです。また、どちらの水族館にも、「空を飛ぶ鳥とペンギンとの違い」を示すために、飛翔し潜水もする鳥や、ほかの飛翔する鳥の骨格標本を展示してあります。

関東地方では、千葉県我孫子市にある「鳥の博物館」や、国立科学博物館でこれらの骨格標本を観察することができます。

また、最近は素晴らしい芸術性の高い「骨格標本写真集」が出版されています。ただ、情報の多様性と丁寧さという視点でいえば、『鳥の骨探』(総指揮:松岡廣繁、NTS、2009年)が最も優れた「鳥の骨格入門書」だと思います。

『鳥の骨探』(総指揮:松岡廣繁、NTS、2009年) 『鳥の骨探』(総指揮:松岡廣繁、NTS、2009年) 『鳥の骨探』(総指揮:松岡廣繁、NTS、2009年)

骨格の部位に関する詳しい説明はもちろん、鳥類の解剖学的な解説も、非常にわかりやすく、丁寧に書かれています。特に素晴らしいのは、多様な鳥類の骨格について、各々のトリの生態的、生理的特性を比較しながら、どこが特徴的なのかハッキリ指摘していることです。

ペンギンについていえば、全身骨格標本はキングとジェンツーしかありません。しかし、フンボルトについては、11ページに分かれて「各部位の説明」が掲載されています。

また、キングのところに記されている解説は、最近のバイオロギングサイエンスの研究を勘案すると、非常に興味深い内容です。すなわち…、「肩甲骨が発達し、翼を引き上げる機能がある『後肩甲上腕筋』が著しく発達しているので、翼を打ち下ろすとき(大胸筋の発達)だけでなく、引き上げるときも大きな推進力を生み出す水中生活者ペンギンの筋-骨格系の特徴である」というのです。

さらに、ペンギンファンにとっては見逃せない「プロトプテルム=ペンギンモドキ」に関する貴重なエピソードが、長谷川善和博士の解説で紹介されているのです。

ぜひ、この本を手にとって確認して下さい。

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