「緑のペンギン島」プニウィル紀行〜その2(今回で終りです(^o^)/)〜

2011 年 3 月 1 日 火曜日

はじめにお断りとお詫びをしなければならないのです_(._.)_!!

今回のプニウィル行きは、公的な調査旅行の一環でした。
ですから、プニウィル周辺の映像は、なんとか「スキをみて」撮影できたのですが…、「ペンギンそのもの」の映像は、1枚も撮っていません。
というのも、ペンギンをボートの上や展望台から観察している時、私は、常に何か解説していたり、質問に答えていたり、珍しいあるいは貴重な行動や観察対象を探していたりで忙しく、自分の写真を撮っているチャンスが全くなかったからです(~_~;)

まあ、プニウィルのペンギンたちの写真は、N園長や「ペンギン担当のKさん」が、バリバリ撮影していらっしゃいましたから、ちかい内に、公表されるでしょう(^o^)/
皆さん、どうか4月末までお待ち下さい_(._.)_!!

さて、それでは「真夏でも涼しい緑のペンギン島」にもどりましょう(^o^)/

この島は、「フンボルトペンギンの繁殖地の南限」として知られています。
それを、初めて科学的論文で公表したのは、チリの鳥類研究の権威、ブラウリオ・アラヤ博士です。1980年代半ばのことですから、そんなに昔の話ではありません。

それ以前にも、ここにペンギンがいる、ということを知る人々(特に地元の漁師さん)はいましたが、それがどんなペンギンであるのか等を気にする人は皆無だったのです。
だから、プニウィルに2種類のペンギンがいて、しかもフンボルトペンギンはこれ以上南では繁殖しない、ということも知られていなかったのです。

今回お世話になったバリバリのナチュラリストにしてネイチャーガイドでもあるカルロ・モンタルベッティさん(彼は12年間ロビンソンクルーソー島にいて、その島の生き物ならなんでも知っているそうです)によれば、3月〜9月の非繁殖期には、フンボルトは北に去り、マゼランは南に去ってしまうとのこと。
従って、半年以上もペンギンたちが姿を消してしまう時期があるということが、この繁殖地の確認を遅らせた原因かもしれません。

しかし、ここで「25年前からペンギン観察ボートをやっている」という漁師のフェルナンド・アヴァロッツさんは、こう言います。

「でもね、12月〜1月のハイシーズンには毎日平均500人以上の観光客が来るよ!
その前後は100〜200人くらいかな。ペンギンがいなくなる冬は、もちろんボートはお休みさ。」

彼の奥さんはやり手です!
何年間か日本の帯広で「観光学」を学んだ経験があるそうで、その知識を「ペンギン観察ボート」やレストランの経営に活かしているそうだ。
だから、私たちは奥さんのことを敬意を込めて「オビヒロさん」と呼んぶことにしたのです。

確かに、彼等が胸を張る通り、最初はアヴァロッツさんの独占状態だった「ペンギン観察ボート」もレストランも、今では4軒に増え、しっかり地元経済の発展に貢献しているようです。
ですから、ペンギンの島を望むビーチには、こんなにとりどりの「ペンギンボート看板」が立ち並ぶことになったのですな(~_~;)

ペンギンの看板1 ペンギンの看板2 ペンギンの看板3 ペンギンの看板4 ペンギンの看板5

観察ボートも立派です(^o^)/ほら、よく見ると、こんなフンボルトをあしらったマークが描かれてます!

観察ボート1 観察ボート2

また、ちょっと小さめですが、木造のビジターセンターには、ペンギンやこの地域の野生動物に関するこんな解説も掲示してありました。

おまけに…、「ペンギン島」を間近に望むレストランには、こんな演出が随所に溢れてます!
地元の木工技術を活かした素朴な「ペンギン家具」が、新鮮な料理の味をひきたててくれます(^o^)/

ペンギン家具1 ペンギン家具2 ペンギン家具3

しかし…、思い起こせば15年前。
私が「ペンギン会議のペンギンツアー」で初めてこの島を訪れた時は、たしかレストランはおろか、立派な観察ボートもビジターセンターも、ペンギンの島を観察できる展望台も、なあ〜んにもなかったよ!

だから、漁師さんに頼み込んで、ボロボロの小さな漁船を借りて、みんなでビショビショになりながら漁船に乗り降りしたんですよ!
その時の「親切な漁師さん」が、あのアヴァロッツさんだったわけですね(^o^)/
だからね…、「25年前から観察ボートやってる」のは、辛うじて事実だとしても、とてもとても今のような大々的で組織的で安全・快適な「観察ボート」ではなかったんですよ。

しかも、15年前は、「ペンギンの島」に上陸して、タップリ調査しちゃいましたが、今は、管理当局の特別の許可がない限り、島への上陸はできません。
その点は、改善されたといっていいでしょうね。

しかし…、ボートの上で、しかもアメリカ人とおぼしき観光客が同乗している前で、アヴァロッツさんは、私にこんな質問をぶつけてきました。

「15年前のことは思い出しましたよ!ところで、今のようにペンギンが減り続けている状況で、ペンギン観察ボートを続けても問題ありませんかねぇ?」

「う〜ん…、正直言うと、もう少し規模や回数を減らした方が良いと思うけど…。研究者はここで研究をしてますか?」

「最近はドイツの研究者グループが、ペンギンに記録計を取り付けて研究してましたよ。」

「それはいい!また、アラヤ博士やアレハンドロ博士をご存じですか?…あ、知ってる!それじゃ、彼等とよく相談して、今後の方針を決めると良いと思いますよ。私たちのグループは、彼等の活動を支援しているんです。」

このあと、アヴァロッツさんは、アメリカ人観光客の質問を私にふってきたので、私はますます忙しくなって、カメラどころではなくなったのです(~_~;)(涙)

「緑のペンギン島プニウィル」。この島の豊かな自然と、人々の心の温かさが、いつまでも保たれることを祈っています!!

コメント / トラックバック 4 件

  1. penguinman より:

    お早うございます。ご苦労様です。かなり変わりましたね。でも良い方向に変わることが望まれますよね。アラヤ博士から頂いた過去10年間のセンサス記録ではプニウィル島での記録がーになっていますから、これからの調査がまた重要になってくると思います。私は今後もアラヤ博士と交流していき、他の研究者とも交流していき、個体数調査に協力していきます。

  2. 上田一生 より:

    penguinman 様

    いつも、コメントをありがとうございますm(__)m!!

    時の流れは「あっという間」ですねぇ〜(~_~;)
    たぶん、「これまでの10年間」より「これからの10年間」の方が、加速度的に早く過ぎると思います。

    ペンギン達が「耐えて」くれると良いのですが…。
    何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m!!

  3. むらペン より:

    お疲れ様でした・・。

    ハードでしたね・・。(。∋

    どうか、ペンギンたちが優しい人たちに大事にされて、いつまでも安心して過ごせるように願ってやみません・・。

  4. penguinman より:

    そうですね。次の10年が楽しみです。こちらこそです!!!

コメントをどうぞ

ページトップへ