私は、このブログをペンギンを愛する方々との交流の場の1つと考えるとともに、自分自身の「備忘録」とも考えて参りました。また、株式会社ヴァイスヴァーサ様のお力添えをいただいてこのサイトを開設してから、今年2月でちょうど30ヵ月=2年半を迎えました。
アップされたブログ件数は総計1100件を超え、皆様から数多くの貴重な情報、映像、ご意見を頂戴して参りました。ここに改めて、心よりお礼申し上げます!!
そして、私が最も勇気づけられ、ブログとネットの「威力」を思い知らされたのは、なんといっても「災害と事件」に対する即応性、空間的限界を超越して有志が力を結集し情報を共有できる「場」が、そこにある、ということです。
全てを振り返るわけにはいきませんが、この30ヵ月間に、「ペンギンをめぐる重油流出事件」や様々な「緊急救護活動」がありました。そして、おそらく一生忘れることのできない大規模な自然災害と人災とを何回も経験したのです。わずか2年半の間にです…。
2010年2月28日(現地チリでは27日)、チリ大地震の際には、チリのメトロポリタン動物園スタッフを日本(東京〜下関)にお迎えしていた最中でした。同年3月16日のブログに詳細な経緯がありますのでご確認下さい。この時には、チリの被災された方々並びにメトロポリタン動物園への義援金をお預かりし、何回かに分けて現地に寄贈致しました。(2011年4月16日のブログにも関連報告を記しました。)
さらに、2011年2月22日には、ニュージーランドのクライストチャーチを激震が襲い、多くの日本人留学生が亡くなりました。その被害状況を確認している中で、今度は日本に大震災が起こったのです。この間には、チリでの火山噴火等もありました。
また、大震災の2日前、2011年3月9日には、宮城県沖を震源とする「震度5」の地震があり、当日のブログでマリンピア松島水族館や宮城県の方々のご無事を問い合わせたばかりでした。
以前にも、何回も同じ趣旨のことを書いて参りましたが、この30ヵ月を振り返って、何か得たものがあるのか?…と、繰返し繰返し自問自答致します。もちろん、皆様との温かく緊密な連携という「最大の宝」を得たということは、間違いありません!!また、その時々に、皆様のご芳志、ボランティアとしての篤いご助力をいただき、様々な方々に有効な支援を実現できた、ということも、大きな成果です!!
しかし…、未来に向かっての大きな安心感、例えば「これだけひどいめにあっても皆で力を合わせて耐えていれば必ず大きな救いの手が迅速・果敢に差し伸べられる」というような、「国や公」に対する基本的信頼感は、どこにいってしまったのでしょうか?
あらゆる災害において、「自力救済」は基本の1つです。それを否定しているのではありません。なにもかもを、「国や公の責任」というつもりもサラサラありません。だからこそ、この小さなサイトにも生々しく記録されているように、私たちは各々が可能な範囲で、最大限の自助努力をしてきましたし、これからも手を携えて進む決意です。
とはいえ…、間もなく大震災11ヵ月目をむかえ、来月には丸々1年が経過しようとしているのに、「国や公」を代表する日本の「司令塔」はいったい何をしているのでしょうか?彼らの頭の中に、今回の天災と人災によって尊い生命を失い、家族を失い、財産を失いあるいは奪われ、仕事や学校や友人を失い、あるいは別れを強いられた多くの方々の、苦しみ悲しみや怒りや落胆を親身になって思いやり考えて、それらを逸早く和らげ軽減しようという発想が、本当にあるのでしょうか?
たしか、学校では「国や公の最大の責務は国民の生命・財産を守ることだ」と教わったはず。今でも、そのように教えているはず!!…ということは、私を含めて日本の教師や学校はみんな「大ウソつき」ということになる。現場の自衛隊員や警察官・消防官等の皆さんの身を挺した働きは、どこぞでヌクヌク、ヌケヌケと愚劣な議論三昧の「国民の代表」には、どうやら見えていないらしい。「手本」にする気もないらしい。
この30ヵ月間、日本や世界にはいろんなことがありました。楽しいことも、励まされることもありましたね。ただ、高校で教壇に立ち、若者たちの悩みや不安に日々接していると、彼らのために私たち大人はなにをしてやれるのか?悩んでしまうことが多いのです。
「若者を甘やかすな!」ということは否定しません。彼らは、日々、己を鍛えるべきです!!…でも、それは昔から同じこと。よくよく客観的に考えてみると、各々の時代には各々の苦しみやハードルがあったとしても、今ほど「あらゆる方向から厳しい現実がつきつけられ単純な希望の光が見出だしにくい時代」はないのではないか?「明日があるさ」と唄ってみても、それが「今日より少しでもましな明日」なのかどうか?…と考えてしまいます。
どうも、ネガティブな気分からなかなか抜け出せないで困ります。
ただ、様々な現実は一瞬も待ってはくれません。このブログでも何回かふれてきましたが、「次の災害」は間違いなく近々(ただし、地質学、地震学的な時間単位で)起きるでしょう。また、「地球温暖化」や環境激変の流れにもブレーキがかかる気配はありません。異常気象は、なくなることはないでしょう。
発生率が高まりつつあるそのような新たな変化に、具体的にどのように備え、対応していけば良いのか?いかにして、現実的で有効な「救護能力」、「回復能力」を養い構築していくか?そういうことが、しかも緊急に求められているのです。
いろいろグズグズ書いてきましたが、もちろん私は「白旗をあげた」わけではありません。然るべき覚悟をかため、できるだけ多くの経験知を動員し知恵を絞って、「克服する実行力」を蓄え鍛えていかねばならない。それこそが、この新しい「災害多発時代(それにしてもイヤな時代ですね!!)」を逞しく生き抜く最善の方法であり「大人たちの責任」だと考えるようになりました。
皆様の、変わらぬお力添えを、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます!!