私の「園館論」があるとすれば、その大切な要素の1つに「園館は成長する」という持論があります。
「諸行無常」を引き合いにだすまでもなく、ものみな変わるわけですから、園館だって変化するのは、むしろ当たり前です。しかし、ここでいうのはあくまでも「成長」であって、一般論としての変化ではありません。もちろん、「経年劣化」いわゆる施設の老朽化という問題は、また別の次元の課題ですから、この範疇には含まれません。
さて…、では「園館の成長」とはなにか?
それは「物理的規模の拡大」、例えば「敷地面積の拡張」だけを意味するわけではありません。言い換えれば「成熟」とも「充実」とも表現できます。つまり、園館は新設オープンの時に100%完璧にできあがっているわけではないということです。
「利用料をとっているのに未完成とはなにごとか!!」とお怒りのむきもあるでしょう。ご説ごもっともです!
しかし…、例えば「お芝居」や「ライヴ」や「寄席」など、生きた人間が演じる芸術活動を考えてみて下さい。あるいは、様々なプロスポーツでも構いません。同じ役者が同じ台本で同じ舞台で演じているにも拘わらず、初日と千秋楽とを比べると、いや、同じ日の午前と午後とを比較したって、全く同じことが反復されているわけではないでしょう。むしろ、初日より、2日目以降の方が楽しめるかも知れませんね!?
園館の主役は生きものとスタッフです!!上のたとえ通りではありませんが、オープン時の園館と1年後、3年後、5年後の園館とが、もし「全く同じ」だったら、それは果たして「良いこと」なんでしょうか?,/p>
生きものは文字通り成長しますし、スタッフは担当動物や施設の管理・取扱いに習熟していきます。繁殖もするし病気や事故も起きるかも知れません。また、様々な「教育・普及活動」も活発に行われるでしょう。これらは全て「単純な反復作業」ではないのです。
従って…、園館は新設オープン初日から成長を始めます。いや、オープン準備中から成長し続けオープン当日を迎えるのです。だから、オープン後も成長し続けるわけです。
では…、その実例を長崎ペンギン水族館で探してみましょう(^○^)!!
例えば…「2階のバーチャルシアター」。今は、こんなペンギン人形がお出迎えします(^○^)!!ペンギンの「着せ替え」も充実してきました(^o^)v!!
あるいは、温帯ペンギンゾーンの開け放たれた空間には、目立たないようなブルーネットがしっかり張られています。これは、外部の鳥の侵入を防ぐため。「鳥インフル対策」でもありますね(^○^)!!
さらに、様々なイベントの充実、そして「ペンギンショップ」の品揃えやサービス向上も見逃せません(^○^)!!
こういった、小さな積み重ねや工夫が、園館を成長させているのです!!