ASOC(南極南大洋連合)日本コンサルタントの沼田美穂子様からCCAMLR(南極の生物資源の保存に関する委員会)開催に関する情報をいただきました(^○^)!!

2012 年 10 月 24 日 水曜日

昨日=10月23日(火)、以下のようなプレスリリースを沼田美穂子様からいただきましたので、その全文をご紹介致します。私も、この会合が意義あるものとなりますよう、お祈りしております(^○^)!!では、沼田様からのメールをご覧下さい!!

今日からCCAMLR開幕です。ASOC関連団体であるAOAからプレスリリースがあり、日本語版を作成しましたのでお送りします。

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AOAメディアリリース 2012年10月23日

CCAMLR加盟諸国は前代未聞の海洋保護実現のチャンスを逃すなかれ – AOA

[2012年10月23日、ホバート] 南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)はタスマニア州ホバートで現地時間今日から2週間に及ぶ年次会合に入るが、これに際しAOA(Antarctic Ocean Alliance、南極海連盟)は各国代表に向け、南極海に前代未聞の海洋保護体制を構築するこのチャンスを必ずものにするよう呼びかけた。

CCAMLRは24の国およびEUから成る国際組織であるが、本会合では南極海の中でも2つの重要な海域に関する案件について討議することになっている。つまり、(1)米国およびニュージーランドの2か国がそれぞれ提案している、ロス海における海洋保護区案。ロス海は地球上で最も無垢の状態を保つ海洋生態系である、(2)オーストラリア・フランス・EUが共同で提案している、南極大陸東岸海域約190万平方キロにわたる保護区案、の2件である。いずれに関しても当事国間および関連する他の加盟国との協議が数か月以上続けられてきた。

AOA代表スティーブ・キャンベル氏はAOA事務局のあるホバートにて、「南極大陸東岸の広大な海洋保護区案は採択にこぎつける可能性がありますが、それにはCCAMLRが強い指導力を発揮することが不可欠です。」と述べた。「ロス海保護区案のほうは政治的な問題に直面することになりますが、この最も貴重な海洋生息地の保護のために米国・ニュージーランド両政府が意見の統一を図り、共同でひとつの案に練り直すことを心から願っています。」

AOAは先週、最新レポート「南極海の遺産:南極大陸東岸海域の保護のために」を発行したばかりだ。この中でAOAはオーストラリア・フランス・EUによる当海域保護区案に賛同しつつ、さらに将来、保護区として追加すべき重要な海域としてプリッツ還流、コスモノート・ポリニア(開氷域)、東インド洋海山などを挙げている。

「今年初めに発刊したAOAの『ロス海レポート』では、ロス海というかけがえのない海域に360万平方キロにわたる完全な海洋保護区を設立するよう提言しています。」とキャンベル氏は語った。「AOAは各国代表に対し、短期的な利潤追求をやめ、南極海保護のための諸施策に賛同するよう求めます。今回がロス海に残るほぼ手つかずの自然を保護するための最後のチャンスになるかもしれないのです。」

「CCAMLR加盟各国がこのチャンスをものにして、南極海といういまだ無垢に近い環境の保護に乗り出すことに、世界中の人々から多大な声援が寄せられています。」と、キャンベル氏は続けた。「南極大陸東岸海域、ロス海域、そしてその後退しつつある棚氷を保護することは貴重な第一歩です。保護は世界中の人々に恩恵を与えるもので、手遅れにならないうちに実行されるべきだと実証することになります。」

*編集者各位***

AOAは世界30の環境保護団体からなる連盟組織です。結成からこの1年、南極海に世界最大の海洋保護区・禁漁区ネットワークを設立すべく、CCAMLR加盟各国に働きかけてきました。AOAメンバー組織にはピュー(PEW)環境グループ、WWF、グリーンピース、南極南大洋連合(ASOC)、国際人道協会(HSI)、国際動物福祉基金(IFAW)等があります。

南極大陸東岸はペンギンやアザラシ、クジラなど、南極海の生物が多数暮らす隔絶された海域です。海底の地形や海洋学的特徴も他では見られない希少なもので、高い生物多様性を持っています。そしてロス海もまた、特有の、膨大な数の生物たちの生息地です。中でもメロはとても長生きな魚ですが、ニュージーランドや韓国、イギリス、スペインなど、世界中の国から漁業の対象とされるようになっています。

南極の海洋生態系をおびやかすものは増え続けています。とくにシーフードに対する需要が世界中で高まっており、南極海の生物資源にも漁業の手は伸びています。さらに気候変動による影響が、クジラやアザラシ、そしてペンギンなど海鳥の生息地やエサの状態を悪化させつつあります。

連絡先:
Blair Palese, AOA Communications Director: +0414 659 511,
blair@antarcticocean.org.

www.antarcticocean.org,
Twitter: #JointheWatch, #Antarcticocean,
Facebook:https://www.facebook.com/pages/Antarctic-Ocean-Alliance/233933866663875?fref=ts

沼田 美穂子(ASOC日本コンサルタント)

*活動の経緯***

1)AOAの研究では、南極海の実に40%にあたる海域が海洋保護区・禁漁区ネットワークとして保護される必要があると判明しました。これは現行の海洋保護区面積のほか、これまでに行ってきた保護策や保護計画の分析で特定されていた海域、また「南極圏保護への展望」レポートに述べたように、新たに保護の必要性が明らかになった、極めて重要な生息地などを合わせた結果です。

「南極圏保護への展望」レポートのダウンロードはこちら:
http://antarcticocean.org/pdf/circum/11241-AOA-Circumpolar-Report-FINAL.pdf

2)AOAはCCAMLRに対し、AOAの提言「南極圏保護への展望」に合意し、この比類ない海洋環境が損なわれてしまう前に保護を実現するよう働きかけています。CCAMLRは2012年を南極海の大規模海洋保護区・禁漁区ネットワーク構築開始の初年度と位置付けているものの、保護の規模や程度に関してはまだ意思統一に至っていません。

3)CCAMLR
会議の意思決定はコンセンサス(全員の合意)によるものですが、会合への市民参加は厳しく制限されており、メディアの出入りは禁止です。地球市民が声を大にしなければ、南極海という貴重な環境に対し最小限の保護の努力しか払われないおそれがあると、AOAは憂慮しています。そこでAOAは「CCAMLRウォッチ」キャンペーンを開始し、これまでに世界の165,000人以上から賛同を得ています。

4)南極海は世界の海洋面積の約10%を占める、地球上で最も無垢な自然を保った場所のひとつです。ペンギンやアザラシ、クジラなど、10,000種もの多様な生物たちの棲みかとなっています。

*詳細について***

南極東岸海域レポートをダウンロード:
Antarctic Ocean Alliance

南極圏レポートをダウンロード:
http://antarcticocean.org/pdf/circum/11241-AOA-Circumpolar-Report-FINAL.pdf

メディアリリースビデオ・写真:
http://www.reru.com.au/Mediafiles/Antarctic_Ocean_Alliance/Videos/
高画質写真のご請求はAOA事務局 Blair Palese (連絡先前述)までお願いいたします。

(訳:沼田 美穂子)

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