南極南大洋連合(ASOC)日本コンサルタントの沼田美穂子様から国際会議に関する続報をいただきました(^○^)〜会議続報後編〜

2012 年 10 月 31 日 水曜日

以下に沼田様からいただいた重要な続報をご紹介致します!!なお、今回の会議は11月1日(木)に閉幕の予定です(^○^)!!

AOAメディアリリース 2012年10月29日 #2

ロス海保護区案への結論を迫られるCCAMLR会議

[2012年10月29日、ホバート]
南極ロス海の保護については米国およびニュージーランド(NZ)両国がそれぞれ海洋保護区指定案を作成、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)年次会合で討議が進められてきたが、このたび両国がついに相違点のすり合わせに成功し、統一した保護区案を現地時間29日に再提出した。このニュースをAOA(Antarctic Ocean Alliance、南極海連盟)は、南極海における海洋保護区・禁漁区ネットワーク構築実現の基盤となり得る動きとして歓迎したが、同時に、実現には2か国のみならずCCAMLR加盟全組織の賛同が必要であると強調した。

 「今週の会議でも漁業国をはじめカギを握る国々が活発な議論を繰り広げる見込みで、基準であるコンセンサス(全員の合意)による採択にこぎつけるという保証はまったくありません。」とAOA代表スティーブ・キャンベルは言う。「問題はロス海だけでなく南極大陸東岸海域保護に関しても、各国代表が具体的にどんな条項に合意するかということです。」

 AOAはロス海域のうち360万平方キロを海洋生息地として保護するよう提言している。最新の科学データに基づいた判断だ。これに対し米国・NZ案は禁漁区指定を160万平方キロで行うとしている。「確かに規模としては大きく、CCAMLRで採択されれば世界最大の禁漁区となるでしょう。」とキャンベルは述べた。
 しかしコンセンサス形成への道のりは容易なものではなく、米国・NZの合意したロス海保護区案の行方はいまだ不透明なものだ。

 AOAによれば、環境保護団体は今日のメディア報道にある「lightfishing(軽度の漁獲)」という概念について、またそれがロス海のどの海域で実施されるのかなどに懸念を抱いている。ロス海の重要な生息地など特定の海域が完全に保護されないならば、保護区案は不完全なものとなってしまう。これでは地球上で最も無垢の状態を保つ南極海という海洋の主要な生態系を保護するために不可欠と科学者が求める施策を取ることができなくなるおそれがある。

 メディアは今日、海洋保護区指定の期間についても議論がなされる見込みであるが、無期限ということもあり得ると伝えた。
 「AOAは、ひとたび指定されれば海洋保護区は何世代にもわたり残されるべきで、一国の気まぐれにより漁業を解禁にするようなことがあってはならないと断言します。」キャンベルは続けた。「いかなる保護区案であれ、永続的な保護を最も重要な場所にもたらすことが肝要です。」
 南極海の保護を求める市民の声はここ1年間で拡大の一途をたどり、大規模な海洋保護区指定への賛同者はこれまでに120万人を超えた。「ロス海および南極東岸の海洋保護区案を効果的なものとし全会一致で合意することは、CCAMLRにとっての最重要課題です。世界の目はCCAMLRに注がれており、今週木曜に会議が閉幕する際には意義ある結果が得られているよう期待を膨らませています。」

編集者各位
● AOAの研究では、南極海の実に40%にあたる海域が海洋保護区・禁漁区ネットワークとして保護される必要があると判明しています。これは現行の海洋保護区面積のほか、これまでに行ってきた保護策や保護計画の分析で特定されていた海域、また、新たに保護の必要性が明らかになった、極めて重要な生息地などを合わせた結果です。
● 南極の海洋生態系をおびやかすものは増え続けています。とくにシーフードに対する需要が世界中で高まっており、南極海の生物資源にも漁業の手が伸びています。さらに気候変動による影響が、クジラやアザラシ、そしてペンギンなど海鳥の生息地やエサの状態を悪化させつつあります。
● AOAは世界30の環境保護団体からなる連盟組織で、メンバー組織にはピュー(PEW)環境グループ、WWF、グリーンピース、国際動物福祉基金(IFAW)、南極南大洋連合(ASOC)等があります。

お問い合わせ・連絡先:
Blair Palese, AOA Communications Director: +0414 659 511,
blair@antarcticocean.org
www.antarcticocean.org, Twitter: #JointheWatch, #Antarcticocean
メディアリリースビデオ・写真:http://www.reru.com.au/Mediafiles/Antarctic_Ocean_Alliance/Videos/
高画質写真のご請求も上記 Blair Palese までお願いいたします。

沼田 美穂子(ASOC日本コンサルタント)

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