近藤鉄也さんのチリ便り〜第64回〜(本当の最終回)

2013 年 10 月 2 日 水曜日

まずは、近藤さんからいただいた「最終報告」をご覧下さいませ(^○^)!!

「上田さま

いつもお世話になっております。 チリでの活動を終え、昨晩出国しました。今はダラスで次便待ちです。

さて、前回お知らせしたとおり、先週プンタアレーナスに行きキングとマゼランのコロニーを訪問しました。

幸運にも?、数年前に数百羽規模の重油被害のあったマグダレーナ島でのレスキューに携わったガイドに出会うことができました。

彼によると、マゼラン海峡では恒常的に重油流出が起こっているものの、流出源を特定する機関がないため、対策は取られていないそうです。

前回の重油流出では汚染されたマゼランがマグダレーナ島に漂着したため、島を管理するCONAF(チリ森林公社)が特別予算を組んでレスキューに当たったものの、救えたのは僅か30羽程だったそうです。 その後も体制は整えられず、今でも衰弱したペンギンを見つけた時の連絡先を知らない人がほとんどだとのことでした。(チリ国内では水産庁の管轄ですが、プンタアレーナスは漁業の街ですから、ペンギン保護は置き去りにされているのが現状でしょう)

話は替わりましてキングのコロニーです。今年孵化した雛は全て姿を消し、成鳥しか居ませんでした。雨が多い地ですから巣立つのは難しいでしょう。 衰弱個体を発見した場合は水産庁に連絡することになっていますが、…..。前述の通りです。

保護したいという団体が名乗りを挙げれば、許認可はさほど難しくはないと思います。

この2年間でチリペンギンを取り巻く環境について多くを知ることができました。現地レポートは今回をもって終了となりますが、今後もチリの状況に関心を持ち続け、何らかの形で情報発信を続けたいと思います。

今後ともよろしくお願い申しあげます。

近藤」

近藤様、長い間のチリでの活動、本当に本当にお疲れ様でした!!ご夫妻のご努力で、チリにおけるフンボルトペンギンの保全活動が、理想論やかけ声だけでなく「現場レベル」で着実に前進し、チリの関係者との間に確固とした信頼関係を築き具体的技術を伝承することができました。

また、この間にレポートしていただいた各種の生々しい情報は、ペンギン生息地での実際の保全・研究活動の難しさや、チリの方々の空気・価値観、社会的・国家的特徴や環境・伝統を理解するために、極めて有用な実物教材でした!!

ご帰国後のお仕事が軌道にのり、落ち着かれましたら、ぜひ詳しくお話を伺いたいと考えております!!また、次回の「ペンギン会議全国大会」では、これまでのご活動を振り返り、これからいかに活動を充実させていけば良いのか…等々、近藤さんの実体験に基づいた「将来展望」をぜひ伺いたいとも考えております(^○^)!!

改めて、これまでのチリでの活動と業績に心からの敬意を捧げます!!また合わせて、ご帰国後のますますのご活躍を心からお祈り申し上げます!!

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