いつも、日橋園長には「え〜!まだ読んでないの!!」と、叱られてばかりです(@_@)
だから、たまには「師匠を出し抜くマネ」をしてみたい。そういう不純な動機で書いています(~_~;)
実は、今回ご紹介する本は、著者のお一人から直接教えていただいて、その存在を知りました。
堀秀正さん、ありがとうございましたm(__)m!!
一緒に「サクラ鍋」をつつきながら伺った時は、「書店ですぐ見つかる」と、簡単に考えていました。
でも、実際に手に入れるまでに、大きな新刊書店を4軒もハシゴしちゃいましたよ…(ToT)
私は、自他ともに認める「IT原始人」ですから、Amazonでちゃちゃっとお買い物、なんて現代的なことは、自慢じゃありませんがまあああったくできません!!
先日も、「フォークランドの風」さんに、「えええぇ〜〜!!!!Amazon使わないんですかあああ〜〜(大笑)」と、軽蔑されてしまいました(大涙)
いや「使わない」んじゃなくって「使えない」んですよぉー(ToT)(ToT)
ま……、それはともかく。この本には、感激しました(^o^)v
この本とは、『大人のための動物園ガイド』(成島悦雄編著、養賢堂、2011年2月2日発行)のこと。
著者は、東京都井の頭自然文化園の園長=成島悦雄さんはじめ、次の方々。
草野晴美さん(東京動物園協会多摩動物公園)、高藤彰さん(東京動物園協会恩賜上野動物園)、土居利光さん(東京動物園協会多摩動物公園園長)、そして堀秀正さん(東京動物園協会恩賜上野動物園)。
業界の方じゃなくとも一目でおわかりいただけると思いますが、「東京都の動物園の精鋭部隊」といった顔ぶれですね!
私なんかは、著者のラインナップを見ただけでワクワクしてくるんですが、特に、堀さんは、「ペンギン会議の前事務局長」ですから、言わば「身内同然」!!嬉しくてたまらないわけです(^o^)/
「じゃあ、上田が褒めちぎるのは当たり前じゃないか!!」と言うなかれ!!
中身が、正真正銘、嘘偽りなく、ホントに優れてるんです!!
めんどくさい前口上は省きましょう。では、どこが良いのか?「わかりやすさ」です(^o^)/
それを最もよく象徴しているのが、冒頭の草野晴美さんが担当された「動物園の大人の味わい方」です!
まさに「うまい!!」の一言!
長年「動物解説員」を勤めてこられたご経験と深い専門的・学問的知識が、ここに結晶しています。
動物の難しい生理や生態のことを「難しく解説するのは易しい」のです。
しかし、「難しいことを易しく解説するのは、とてもとても難しい」のです。その最大の難関を、草野さんの筆は、とてもしなやかに潜り抜けているんです。
この本のさらに大きな特長は、「動物園の社会学」という章をきちんと設けていて、しかも最新の分析をしていること。
あくまでも東京都の動物園が中心ですが、「入場者数だけで全てを語る」のではなく、きちんと複数の指標(物差し)で、動物園を評価しようとしています。
私は、動物園や水族館は「優れた社会装置として、現代社会には不可欠な存在」だと考えています。
ただ、その意義や活動内容の評価は、これまで「真剣に考えられてこなかった」とも思うのです。
だから、極端なことを言えば「アンチ・ズー」の論客がもっと現れてもよいのです。
ただ感情的・情緒的に動物園を考えるのでなく、もっともっと理性的・論理的・科学的・社会的…複眼的な視線にこの施設をさらして、いろいろな立場から叩いていく。
誹謗中傷やイジメではありませんよ。みんなで動物園や水族館について真面目に考えていく、意見を出しあうことが、もっと必要だと思うのです。
そういう意味で、この本には、「新しいズーマンの気概」が満ちています。
小さな例を上げれば、みんなが心配している「鳥インフルエンザの問題」からも「逃げていない」のです。
ちゃんと「正確な解説と意見表明」があります。
動物園論には、抽象性の高い議論も必要だということを否定するつもりは全くありません。
しかし、より「現場に立脚したリアリティーのある生きた議論」が不足しているな。そういう「欲求不満」が、あったのは事実です。
この本には、新しい動物園の「叫び」が、あるいは「提案」が満ちています。皆さんは、どう読まれますか?