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ペンギン研究者必読の新しい邦語基本文献登場!ペンギンだけでなく、海鳥全般に関する基本データ満載です(^o^)/

2011 年 2 月 28 日 月曜日

綿貫豊先生、お久しぶりです!以前からペンギン会議にご助力を賜り、本当にありがとうございます!!

今回のご著書は、先生の長年のご研究の結晶の1つであり、大きな「社会還元」の成果だと確信しております。

文中、何度も、「よくぞ書いて下さいました!」、「へえ〜!」、「そうだったのか!」という部分やデータに出会いました。
専門書であるにもかかわらず、こんなにワクワクしながら読書したことは、実に久しぶりです。

あの、巻末の600以上(1つ1つ数えたわけでなく、あるページの数から概算しました)の引用文献には、驚くばかりです。
しかも、やはり巻末の「付表・付図」の豊かさ、視線のユニークさ!もちろん、本論中にも、工夫がこらされた各種の図表が惜し気もなく展開されています。
この図表データをおまとめになる作業量を想像しただけでも、根気のない私などは、気が遠くなってしまいます。

マゼランウがフンボルトペンギンよりも遥かに深い潜水記録(2.5倍以上)を残していること。
ハシブトウミガラスも然り。この単純なデータからだけでも、いくつもの「楽しく知的な想像」が可能です。

「はじめに」に書いていらっしゃる「新技術によって、海鳥の驚くべき能力についてわかりはじめたのはここ20年のことである」という文章は、「おわりに」の「最後に個人的な過去をふり返ることをお許しいただき、そこから思いつく海鳥研究における将来の一つの課題について述べよう」に繋げて読むと、この学問領域で有意義な業績を上げてこられた「研究者の系譜」と「気概」と「空気」とが、たいへんよく理解できます。

内藤靖彦博士、綿貫豊博士、高橋晃周博士、新妻靖章博士、そして佐藤克文博士と連なる、日本のユニークで極めて「生産的な」、そして素晴らしい研究者のネットワークが、新しい学問領域を開拓されていく同時代に「居合わせた幸せ」を噛みしめています。
ペンギンに関して言えば、あの1988年の「第1回国際ペンギン会議」が、テレメトリーやバイオロギング(当時はまだ、この言葉さえ使われていませんでしたが…)を駆使した「新しい海鳥研究の幕開け」を象徴する出来事だったのだ。そういう感慨も湧いてきます。

幸いなことに、綿貫先生をはじめ、素晴らしく「カッコイイ」先輩研究者に憧れ、しかも意欲と若い情熱とに満ち溢れた「次世代・次々世代の研究者の卵」たちが、続々出現しています。
また、「おわりに」に示して下さいましたように、若手の「研究ステージ」は、眼前に開かれています。

「本書の目的は、海鳥の驚異的な身体能力と機動性を海洋の特性と関連づけることである。
海鳥は空中と水中とを同時に制覇している唯一の生物グループである。」

「世界における海鳥の種数は350種弱であり、鳥類全体(約9000種)の4%である。」

「ところが、わが国における海鳥の認知度は格段に低い。わが国は亜寒帯から亜熱帯種まで35種ほどの海鳥が繁殖する海鳥の宝庫である。
ところが、ペンギンを哺乳類であると思っている人もいる。
日本において、海鳥がそれほど注目されないのはなぜか。海鳥を専門的に扱った日本語の情報源が少ないのも理由の一つだろう。
海鳥のことをもっとよく知ってもらいたい。これが本書を書いたもう一つの目的である。」

ペンギンの理解は、他の海鳥や海洋生物との比較、あるいは、その相互関係=生態系に関する知見が豊かになればなるほど、どんどん深まる。
また、新たな「謎」が生まれ、楽しさ=知的好奇心も、ますます刺激される。私は、常々、そう考えています。

この綿貫先生の本を、ぜひ手にとり、まずは読み始めてみて下さい!きっと、あなたはペンギンになって、ほかの海鳥たちと共に、広い広い大海原を旅することになるでしょう。
海鳥たちは、なにを見ているのか?彼らの「視線」が、少し理解できるに違いありません。

おっと!うっかり書名をご紹介しませんでしたね。ごめんなさいm(__)m!!
なんと、カバー(この写真も素晴らしい!!)をとると、こんな表紙の本体が!綿貫先生!やりますね!!ありがとうございました_(._.)_!!

『海鳥の行動と生態〜その海洋生活への適応〜』(綿貫豊著、生物研究社、2010年5月10日発行) 『海鳥の行動と生態〜その海洋生活への適応〜』(綿貫豊著、生物研究社、2010年5月10日発行)

『海鳥の行動と生態〜その海洋生活への適応〜』(綿貫豊著、生物研究社、2010年5月10日発行)

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