メルボルン便り〜その5〜メルボルン動物園の新ペンギン施設

2010 年 8 月 24 日 火曜日

メルボルン動物園は、南半球で最も古い動物園の1つ。ひょっとしたらイギリスのロンドン動物園よりも早く「コガタペンギン」を飼育していたかもしれない。そういう話を以前にも書きましたね。

私が驚き、尊敬しているのは、その「教育活動」の歴史の長さと内容の高さ。なにしろ、動物園内に「ズースクール」=立派な専用校舎があり、そこで「遠足」でも「校外授業」でもなく、「普通の理科や社会科の授業」が行われていること。つまり、メルボルン動物園は、完全に地域の「教育施設」なのです!!どこか日本の園館が、見習ってくれないでしょうか?

さてさて、本題は「新しいペンギン施設」でしたね(^o^)/

そこで、まずは動物園のゲートから。これは「トラムゲート」。つまり、路面電車で来るときにくぐる門です。

メルボルン動物園 トラムゲート

次は、「ペンギンバナー」。

メルボルン動物園バナー動物全体 メルボルン動物園バナーペンギン施設

一枚目は、全ての動物共通のバナー。次のは、新しい「ペンギン施設専用」のもの。ペンギンは「ワイルドシー」という新しいゾーンの一部に展示されています。

導線に沿っていくと、最初は「オットセイの海」。地下の水槽は「水族館」そのもの!「動物園が水族館の技法を採り入れた」好例ですね!

地下フロア水槽

そして、地上に出ると「ペンギンプール」が待っています。210トンくらいのプールでしょうか?数ヶ所から「ジェット水流」が出ていました。

ペンギンプール

ちょうど「給餌解説」の時間でした。飼育担当の方は、常に小さく口笛を吹きながら餌を与えていました。

ペンギンの給餌01 ペンギンの給餌02

解説プレートも充実しています。ビクトリア州には20ヵ所ほどのコガタペンギンのコロニーがあること。犬や猫によって一晩に40羽のペンギンが殺されることもある(犬猫はペンギンを殺すだけで食べたりはしません)が、ミドル島では、ペンギンを守る「ペンギンドッグ」の活躍で、そういう事故がおきなくなったことなどが紹介されています。

ペンギンを守る「ペンギンドッグ」

もう1つ、この新施設の特徴は、今まで以上に砂や土を入れ、ペンギン達が巣穴を掘り、そこで繁殖する様子を観察しやすく工夫していること。ちなみに、ここにいるペンギン達は、みんな、なんらかの理由で「救護」された個体ですが、16羽中、6ペアが抱卵しており、すでに3羽のヒナが巣立ち間近の状態でした。

巣穴

最後のバナーは、レストランゾーンで発見したもの。このレストランがまたいいんです!!美味しいワインやビールがが10銘柄以上用意されていて、料理の種類や内容も言うことなし!!

レストランゾーンのバナー

やっぱり、「美味しいレストランはよい動物園の必須条件」ですね!!

コメント / トラックバック 2 件

  1. tenma より:

    動物園水族館は、教育相当施設なんだから双方が積極的に働きかけて授業なんてできないのでしょうかね?今の時代、なわばり主義じゃなくてボーダレスでやったらきっと生物多様性も盛り上がるのかも知れませんね。

  2. 上田一生 より:

    tenma 様
    ご意見ありがとうございます_(._.)_!!「そんなに簡単なことじゃないよ!!」という園館関係者の声が聞こえてきそうですね(~_~;)でも、「教育・普及活動」という「古いくくり」ではなく、「本格的教育活動」を園館で実現できる日が、近い将来、必ず来ると思います。

コメントをどうぞ

ページトップへ