極地研究振興会会員に送られてくる「報告」です(^○^)!!毎号、楽しみに読んでいるのですが、今回は特に気になる記事が多かったので、「さわり」だけご紹介致します(^○^)!!
まずは「巻頭言」。国立極地研究所名誉教授神田啓史先生が、「極地の歴史資料の保存を考える」と題して「アーカイブズの必要性」とその適切で体系的な管理・運用を提唱されていらっしゃいます。
以前から何回もこのブログでも強調してきましたが、様々な分野における「アーカイブズの適切な管理・運用」は、その分野の人材を発掘・育成し、情報の公開性と公共性とを高めると共に、社会的な財産=一種の文化的インフラの拡充に直結する、極めて重要で基本的な作業だと確信しています。しかし、残念ながら、神田先生もご指摘のように、日本の「知的活動を担う頭脳・専門職集団」にこの認識が根本的に不足しているというのが、現状のようです。あるいは…多忙過ぎてご無理なんでしょうか?
日常の業務と研究活動とに追われ、気がつけば背後には「雑然とした記録の山」がそびえているだけ。その山からなにかを引き抜きたくとも、全体が崩れる恐怖とカオスの不気味さに気圧されて、だれも手をつけぬまま山はさらに膨らんでいく…(~_~;)(汗)!!そんな悪夢が進行中です。
この際だから、もう一度強調しましょう(^○^)!!できるだけ早く「動物園・水族館史料館」あるいは「動物園・水族館博物館」を設け、園館史料の網羅的・体系的収集整備と、利用の公開性・利便性を社会的に保証する体制づくりに着手する必要があると確信しております!!関係各位のご決断と実行力に期待しております_(._.)_!!
次の注目記事は、「英訳『南極記』が日の目を見るまで」(国立極地研究所名誉教授楠宏先生)。その中に、以前このブログでご紹介したチェット・ロスについて、「米国人の極地本収集家」という紹介があったことです。残念ながら、歴史的に著名なロス一族との関係についての言及はありませんでしたが、この人物の背景が少しわかったような気が致します。
最後は、国立極地研究所特任研究員辻本惠先生の「Aliens in Antarctica」に関する調査報告。このような「南極大陸に持ち込まれる外来種に関する本格的調査」には、今後ますます注目していく必要があると思います!!
報告によれば…「南極大陸訪問者の装備品にはたくさんの種子がついて」おり、その「47%が寒冷地でも生育可能な種子だった」こと。「5659人の南極訪問者の53%は過去1年間に寒冷地を訪問していた」こと。…等がわかったそうです。
地球温暖化とこのような「外来種の影響」とが、今後、南極の環境にどのような複合的ストレスを与えるのかについては、これまで以上に注意深く観察していかなければならない。あらためてそう感じました!!