10月30日夜、上野精養軒で「中川志郎さんを偲ぶ会」が開かれました。動物園・水族館関係者、博物館関係者、大学関係者をはじめ、様々な世界の方々が190名近く出席され、会場はご覧の通り。生前の中川志郎さんのご人徳がこういう温かい雰囲気をつくりだしたのだと思います。
以前にも記しましたが、私が中川さんにお会いしたのはもう25年前のこと。「パンダ園長」と呼ばれた中川さんが上野動物園長をつとめていらした最後の時期にあたります。
「ペンギンに関する連続講演を企画して下さい」というご依頼を受けたのです。かなり驚きました。当時私は、故青柳昌宏先生とともに、ペンギンの研究と保全に本格的に取り組みはじめてまだ3年くらいしかたっていないいわば「駆け出し」だったからです。「第1回国際ペンギン会議の最新情報をふまえて話ができるのはあなただけですから。」と依頼理由を簡潔に説明された中川園長は、にっこり微笑まれて…「なあに、いろんな方々に助けていただけばいいんですよ!」と励まして下さいました。
この「動物園ゼミナール」での「ペンギン連続講演」が、その後ペンギン会議(PCJ)に結実していくのです。そういう意味で、上野動物園はペンギン会議発祥の地であり、中川志郎園長は「生みの親」であり「ペンギン会議の大恩人」でもあるのです。
中川志郎園長、本当にお世話になりました。心から感謝申し上げます。園長の生きものと人とを愛する精神を、今後ともまもり、培い、受け継いでいきたいと決意を新たにしております。どうか、そう考える仲間を見守って下さい!!