７月17日(日)、夫婦で仙台に出かけました。すでにご報告した「マリンピアクラブ第９回ペンギン教室」前夜の懇親会に参加するためです。

懇親会は18：00からの予定でしたので、市内のホテルから徒歩で「東北六魂祭」会場に向かいました。いやあ、暑かったのなんの…。「仙台はもう少し涼しいかな？」と甘くみていました。ウチワが必需品でした。

そこに、これだけの人出ですから、会場周辺は、きっと何度か気温が高かったのではないでしょうか？16日には、一部のパレードがあまりの人混みのため、中止されたと聞いていましたので、果たして無事にフィナーレを見られるかどうか、多少不安でした。

しかし、ご覧の通り、大変なこみ方でしたが、会場後方から、フィナーレの舞台を眺めることができました。「皆さん、それぞれの本祭で、またお会いしましょう!!」という司会者の言葉が印象的でした。

そう！また会うことそのものが、とても大切なことなんです!!この３月を境に、再び会えなくなってしまった方々、今もなお、苦しみと悲しみの底に沈み、生きてはいらっしゃるが、なかなか会えない方々。そういう方が、いったいどれほどいらっしゃるか？

フィナーレ会場の喧騒のただ中にいながら、私の思いは、あの変わり果てた被災地の光景、巨大な遺体安置所の空間、真新しい仮設住宅の列など、脳裏に焼きついて離れないあの映像の中を漂っていました。

私たち夫婦をご自分の車で送り迎えして下さった植松さん、本当にありがとうございました!!車中でうかがったお話は、たぶん一生忘れられないし、多賀城市街や塩釜港の光景も、瞳の奥から消えることはないでしょう。

あの３月11日からの月日は、被災地の方々にとっては何百年とも感じられる長さと重さと密度とを持っているに違いありません。しかも、その苦しみは未だに癒えるどころか、日に日に新たな苦しみが加わるような状況にジリジリ追い込まれている方々が、たくさんいらっしゃるようです。

なにもかもが遅い!!大きな救いの手がさしのべられるのを待つうちに、命を落とされ、あるいは立ち上がれぬ傷を心と体に負ってしまわれた方々が、いったいどれくらいいらっしゃることか!!これはもう、人災というより犯罪に近い!!無言の民の苦しみを自らの苦しみと感じられる感性を、人間としての温かく血の通った振るまい方を、完全に失い忘れてしまった為政者には、瓦礫が消えてしまえば、全てが順調に回復しているとしか見えないのでしょうか？

被災者同士が、お茶を飲みながら語り合える小さな集会所すらなかなか確保する許可がおりない。確保できても、椅子やテーブルが全くない。「人間らしいくらし、しあわせ」というのは、決してただお金が支給されたり、瓦礫が片付けられたりすれば回復し満たされる、というものではないはず。

必要なもの(あるいは、必要なこと)を、必要な時に、必要な所へ、必要な人に提供できるよう、最善の努力を傾注するのが、救護の基本中の基本です。このバランスが崩れると、助けを必要とするサイドも助けるサイドも、同時に不幸になる可能性が増します。

18日海の日、マリンピア松島水族館には、これだけの家族連れが訪れ、楽しい一時を過ごしていました。こういう場を、いつまでも維持し、しあわせな時間を過ごす「自由と権利」とを、なんとか確保していきたい。一民草にできることは、たかがしれています。でも、今の私にとっては、被災者の１人であるダンチョウさんが心を込めて作って下さったこの「特製名札」が、何よりも温かく、重みをもって心の中心にあるのです。

皆様、今後とも、よろしくお願い申し上げます。

マリンピアクラブ　上田一生

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