まずは、Nachi様からいただいたメールを以下に引用致します。
「今日(10月31日)はテレビを観ていてちょっと「?」と思ったことがありますので、質問させていただきます。
現在、TBSでOA中の『南極大陸』なのですが、昨夜の第3話でついに第1次観測隊が南極大陸に上陸しました。その時にお約束のようにエンペラーペンギンの群れが画面に登場したのですが…上陸したのが(年は忘れましたが)1月29日だそうで、でもそれだとヒナが小さすぎるのではないかしら…と思ってしまいました。添付した写真はそのシーンをテレビ画面から撮影したものです。たしかエンペラーペンギンは過酷な真冬(南半球だから5〜7月頃?)に抱卵し、ヒナがふ化するはずなので、1月末ともなればもう結構な大きさになっているはずだし、もう少し雪も少ないのではないかとか…色々「?」が浮かびました。
もっとも50年以上?前のことなので、今とは気象状況が異なるかもしれないし、私がいつもウォッチングしているチリのO’Higgins基地(今年の1月29日の写真を見ると殆ど雪はありません)と当時、観測隊が上陸した場所ではまた違うのかもしれませんが…まぁ、雰囲気とか、いかにも「南極大陸に来たぞ!」を表現したくて(もちろん別撮りの)ペンギンたちを出したのではないかと思うのではありますが。
なかなか難しいですね、「きちんと見せる」ということは。」
ご指摘の通りです(^o^)/1〜3月は、基本的にはエンペラーにとっては洋上生活期ですから、一部の換羽が遅れた成鳥や亜成鳥等を除いて、海氷上にはエンペラーのコロニーはありません。ましてや、いただいた写真のようなクレイシやヒナの集団が形成されていることはありません。
過去にも、南極を舞台にした「物語」の中で、かなり不自然な演出が度々ありました。タロやジロがなぜ越冬できたのか?なぜ、南紀白浜の海岸にアデリーペンギンの卵が落ちていて、しかも胚が生きていたのか?等々、枚挙に暇がありません(~_~;)
今回のケースも、残念ながらその一例に仲間入り、という感じですね(~_~;)
ただし、エンペラーの洋上生活期間は、3ヶ月前後と比較的短く、しかもこの期間にも海氷上をウロウロしている個体がいるのも事実です。例えば、このサイトのトップに使われている3羽のエンペラーの写真は、2月初旬にロス海で私が撮影したものです。また、1月初旬であれば、場合によっては「遅れて繁殖に入ったつがいのヒナが残っている」こともあります。かつて、ある強引な研究者が「この時期のエンペラーのヒナはどうせ無事に巣立ちをむかえられないから」という理由で、大量にヒナを捕らえて北半球に持ち帰り、研究と称して水族館に売りさばいた、ということもありました。非常に残念な出来事でした。
第一次南極探検隊の記録をみると、多くのアデリーやエンペラー達が、隊員の気持ちを和らげ、宗谷や隊員たちを見物にきた様子が記録されています。そういう出来事を描いてほしいものですね(^○^)!!
女子中学生のかあちゃんです。
滅多にドラマを見ない私ですが、タイトルにひかれて「南極大陸」をみています。
エンペラーのシーンは「???なんか変だぞ??」と、もやもやした気持ちでいました。
でも、このコメントを読んでスッキリしました♪
twitterでもちょっともりあがりました。
日本中のペンギンな人が今つっこんでるぞって。
わたしも「そこはアデリーだろう!」と
>ペンギン大好き女子中学生のかあちゃん 様
>こばやしゆたか 様
コメントをありがとうございました(^○^)!!
この番組は「群像劇」のはずが、誰か1人のためのお芝居になりつつある…!?という指摘もあるようですね(~_~;)
まあ、演出には、現実をちゃんと知った上での「了解されたウソ」と、単なる「知ったかぶり」あるいは「手抜き」とがあると思いますが、これはどっちなんでしょうか(~_~;)?
いずれにしても、この作品はSFやファンタジーではないんでしょうから、あんまり非現実的な演出は控えていただきたいですね_(._.)_!!