はじめまして…ごあいさつその1

2009 年 9 月 19 日 土曜日

こういうオシャレな媒体でなにかを書くのは初めてです。

そもそも、いまだに「ネット恐怖症的」体質から抜けきれないでいるので、なにから書いたらいいのか、見当がつきません。この原稿も、その道のプロ、ヴァイスヴァーサの平川さんと井上さんのお力をお借りして、「流し込んで」いただいています。情けない限りです。

高校生のころ…40年近く前…から「駄文」を書き始め、お小遣い程度の「原稿料」をいただくようになりました。なにかを書くことは、嫌いではありません。しかし、いわゆる典型的な「遅筆」で、大勢の方々に迷惑をかけ続けてきました。
「あのやろう、こんなとこに書いてやがる!!」というお怒りの声が四方八方から聞こえてきそうで、ビクビクしてます。どうかお手柔らかに…、できれば笑って見逃して下さい。

ペンギンにのめり込んで、やっぱり40年近くになります。もともとは、「虫屋」であり「鳥屋」でした。小学生のころは、よなよなでっかい捕虫網や毒ビンなんかをぶらさげて、暗がりを徘徊していました。ガ(蛾)を採ってたんですね。
小学校5・6年生のころからは、それを食べてる鳥に関心がうつって、サギを追いかけるようになりました。自転車であちこち動き回って、当時は少なかったサギの繁殖地を探し出すことに熱中していました。

同時に「本のムシ」でもありました。生まれた直後から、積み上げた本の上の座布団に寝かされてたくらいなので、カビくさい本の山に全く違和感はありません。鳥を追いかけている以外は、本を読んでいる時間が長くて、小学5年生の時から、一人で神田の古本屋街をうろつくようになっていました。

「昆虫記」もの、「動物記」もの、「探検記」ものに、小遣いを注ぎ込みました。正直言って、その時の読書内容は、ほとんど覚えていません。何回も何回も、いまだに時々読み返しています。本は、ただの「もの」ですが、私にとっては「サギを追っかけている」のと同じくらい、広い広いフィールドでした。その思いは、今も変わりません。

だから、私の「ペンギンへののめり込み」も、最初は本からでした。
幸い、親たちは、「本を買う」と言えば、かなり潤沢に資金を提供してくれました。恵まれていたと思います。残念ながらもうありませんが、「自然」や「アニマ」といった良質の自然誌がたくさん出ていて、その何種類かを定期購読していたこともあります。
これはずっと後の話ですが、『アニマ』が廃刊になると聞いて、「『アニマ』を守る会」に名を連ねたこともあります。『アニマ』は、予告どおり絶滅してしまいました。しかし、その会を通じて、多くの著名な博物学者や生物学者、登山家や写真家、自然と生きものにこだわりを持つ方々に、直に接することができたのは、実に幸運でした。ちなみに、私も1回だけですが、憧れの『アニマ』に拙文を寄稿したことがあります。…それで潰れたのかな?

ともかく、高2から2年間くらいで、内外の「ペンギン本」を百冊ほど手に入れて読み倒していきました。専門書から絵本まで。ペンギンを題材にしたものはなんでも読んだんですね。ムダも、けっこう多かったような気がします。でも、たぶん、それが基礎体力になったとも思います。なぜなら、22歳の時には、G.G.シンプソンの名著『Penguin past and present, here and there』が、本当に「名著」であると、自分自身で確信できるようになっていたからです。

それから10年ほど経って、青柳昌宏さんと「ペンギン本を訳そう」ということになった時、自信を持って「シンプソンをやりましょう!」と提案できたんです。しかし、実現したのは『ペンギンになった不思議な鳥』。つまりジョン・スパークス、トニー・ソーパーの本でした。確かに、これも「定番」であり「ベストセラー」でしたが…。決断を下したのは、出版社の方でした。「シンプソンは、もう十分紹介されている」と言うのが理由です。そして、おかげ様で、青柳さんとの共訳で出した『ペンギンになった不思議な鳥』は、日本での「ペンギン本の定番の1つ」になりました。

でも、白状すると、シンプソンはいまだに未練があります。いい本なんですよ! あの時代(1950年代)に、よくこれだけの内容をまとめられたものだ。感嘆してしまうのです。最近40年間ペンギンにこだわり、世界のいろいろなところを駆けずり回ってきたオヤジとしては、シンプソンの洞察力と構成力、そして筆力に、完全に脱帽なのです。

こんど、機会があったら、その凄さの一端をご紹介しましょう。ぜひ…!!

「ごあいさつ」その1を終わります。ありがとうございました。

コメント / トラックバック 6 件

  1. むらペン より:

    お久しぶりです。以前ふれあい動物園のお花見でごいっしょさせていただいたとき以来です。素敵なブログですね。40年もペンギンと共にあり!すごい!それからジェンツーイチロー、かわいいですね。もし、日本にペンギンズが出来たら楽しいですね!ラジオも、今更ながらペンギンの危機を感じることが出来ました。これからもよろしくお願いいたします。

  2. 上田一生 より:

    むらペンさん
    コメント、ありがとうございます!本当に、お花見以来ですねぇ!連休は、どこかで「生ペン」をご覧になりましたか?そろそろ「ペンギン観察」に絶好の季節になって来ました。また、PFCで「観察会」でも計画しましょうか?

  3. penguinman より:

    ブログ開通、おめでとうございます。今年もVしそうですし、今後ともよろしくお願いいたします。

  4. 上田一生 より:

    おそらくジャイアンツファンのpenguinman様へ!!
    コメント、ありがとうございます!!何かおかしなところがありましたら、ご指摘、ご教示下さい。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます!!

  5. penguinman より:

    あれっ、どうしてわかりました???地味にわからないようにコメントしたつもりだったんですけど・・・・。こちらこそ、よろしくお願いいたします。

  6. 上田一生 より:

    penguinmanさんへ
    そりゃ、わかりますよ!!ここまでコテコテのG党の方は少ないですからね。とにかく、G優勝、おめでとうございます!

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