ニュージーランド、クライストチャーチ空港近くにある「アンタークティック・センター」は、最近、日本人にも知られるようになってきた。なぜ、クライストチャーチにそういう施設があるかというと、その空港が、3つの国(ニュージーランド、アメリカ、イタリア)の「南極支援拠点」になっているからだ。ここから、ほぼ真南にあたるロス海に面した南極基地まで、直行便が飛んでいるのだ。
では、この施設はどこにあるのか?ニュージーランドではない。やはり、真南に向かえば、南極のロス海に着く。南極探検の発進基地の1つ。オーストラリア、タスマニア州の州都、ホバートにある。
オーストラリアの人は、タスマニア島のことを「アップルランド」と呼ぶ。リンゴが採れるわけではない。島の形がリンゴに似ているのだという。私は、地理の授業の時、いつも生徒にこの話をするのだが、誰も同意してくれない。ホバートは、このオーストラリア最南端の島で、最初に監獄が設けられた町。そして、南極探検の拠点となった港町である。
港に近い公園には、この島の発見者であり、南極探検の功労者の一人である、タスマンのモニュメントがある。この港は、また、外洋ヨットファンにとっては、「シドニー〜ホバートレース」の基地としても、良く知られている。港に面したパブの壁には、その歴代優勝挺の写真が、ところせましと飾ってある。
埠頭近くには、古く歴史のある店が並んでいるが、最近は、再開発で、新しい観光客相手のショッピングブロックができた。「アンタークティック・アドベンチャー」は、その一角にある。まずは、ロゴにご注目。「アンタークティック」のiの字が、ペンギンになっている。
中には、ところせましとペンギンが…。ロビーの椅子にも、廊下の隅にも(ただし、良く見るとエンペラーとキングが混ざってたりする)。いたるところ、ペンギンだらけという状態。ぺものファンにとっては、フィルムがいくらあっても足りない状況だ。
展示の中心は、もちろん、南極の自然と探検の様子。そして、オーストラリアの南極への貢献を、歴史的に学ぶことができる。様々な学習プログラムも充実している。
そもそもホバート全体が、雰囲気のある、「最果ての港町」。その町を歩きながら、南極ゆかりの店に立ち寄り、そして「アンタークティック・アドベンチャー」を見学する。
生きたペンギンはいないが、ペンギンファン、南極ファンにとっては、得ることが多い施設だと思う。もちろん、「ショップ」がぺものだらけであることは言うまでもない。